2021.11.26

攻めのDX推進における顧客データ統合の失敗ケースと最適な進め方

攻めのDX推進における顧客データ統合の失敗ケースと最適な進め方

攻めのDX推進において、全社のデータを多角的に分析したり顧客とのコミュニケーションチャネルの改善を行ったりするためには、顧客データの統合が必要不可欠です。しかし、当然ながらデータを統合して活用できる状態にするためにはさまざまなハードルがあります。

本記事では、顧客データ統合の重要性から、統合するメリットや目的、顧客データ統合プロジェクトの進め方について紹介します。

顧客データ統合の重要性

近年、攻めのDXや顧客体験向上の重要性がさらに高まっており、いかに顧客目線で顧客データを活用できるかが企業競争力にダイレクトに繋がるとなった現代。

企業は顧客のニーズに応えるべく、オンライン・オフライン問わず顧客に関するデータを可能な限り収集し、さまざまなチャネルやツールを用いてコミュニケーション施策等の改善を素早く行うことが求められています。

顧客理解を深め、顧客体験を向上させるためには、顧客データをもとにプロダクトやサービス、顧客体験をいかに高速で改善できるか、そしてその改善を続けることができるか重要です。

しかし、顧客データが統合されていない(ツールごとにデータが管理される)ために、各ツールに収集してあるデータが分断される「データのサイロ化」が起きてしまうことが多々あります。

data integration 01

データのサイロ化が起きていると、必要なデータの抽出や使えるように加工するうえで時間がかかったり、他部署が持っているデータの把握や共有が難しくなります。

また、ツール単位・施策単位でしか顧客を理解できなかったり、本来顧客であるはずの人物に対してチャネルごとに別の人物としてカウント・分析や施策を実施したりと顧客体験観点での問題も起こります。顧客のためにツールを導入したのにも関わらず、逆に顧客に誤ったコミュニケーションを取りかねないのです。

その問題を解決するために、収集したあらゆる顧客データを管理し、活用できる環境を整える、つまり顧客データ統合が重要です。

顧客データ統合のメリット

顧客データ統合で得られるメリットは次のとおりです。

業務効率化

顧客データを統合し、顧客データが1つのプラットフォームに一元管理されることで、業務効率化を実現できます。

  • レポーティング効率化
    • 各ツールに合わせてExcelでデータを加工するような手間が不要になる。
  • 運用効率化
    • 会社全体でデータ連携し、各部門がそれぞれ業務を改善できる。
  • スピーディーな意思決定
    • 意思決定に必要なデータに自由にアクセスし、出したいデータをすぐに抽出できる。

顧客体験向上 / 売上向上

顧客データの統合により、顧客データを漏れなく、重複なく正確に管理することで、顧客体験の向上ひいては売上向上につながります。

  • 顧客の正しい理解
    • あらゆる顧客データを個人プロファイル化し、リアルな顧客像として可視化できる。
  • 施策の正しい評価
    • 正確なデータを使うことで、正確に施策の結果を分析できる。
  • 適切なコミュニケーション
    • 重複データや欠損データがなくなるため、正確にセグメントを作成し、顧客一人ひとりに合ったコミュニケーションを実施できる。

顧客データ統合の主な目的

顧客データ統合は主に次のような目的で行われます。

  • データの可視化による戦略の立案
  • データの可視化によるマーケティング施策の評価
  • メールやプッシュ通知配信のためのセグメンテーションの改善
  • 既存サービスの分析ダッシュボード等のサービス提供

例えば、小売のビジネスを行っている企業であれば、店舗とECでバラバラになっている顧客データを統合することで上記の目的を実現したり、メール配信システムとプッシュ通知配信システムで異なるツールを利用している場合に配信リストや配信結果を統合することで上記の目的を実現したりします。

上記のような具体的な目的を設定するのと同時に次のようなもう少し大きい粒度でのデータの活用方法についても描いておくと良いでしょう。

  • データの可視化
  • 既存商品・サービスの提供価値向上
  • 顧客体験観点でのコミュニケーション改善
  • 新たなビジネスモデルの構築

広めのスコープから対象を限定することで中長期を見据えたシステムを選定するのか、現状見えている目的を解決できるシステムを選定するかといった違いが出てきます。

顧客データ統合が失敗するケース

手段を目的化してしまう

どのようなプロジェクトにおいても当然ではありますが、手段を目的化すると失敗します。多くの人がそのような前提は持っているかと思いますが、顧客データの活用といったテーマになると、顧客データを統合すること自体が目的にすり替わってしまうケースが少なくありません。

顧客データを統合すれば何かできるのではないかということを起点にプロジェクトが立ち上がる一方で、顧客データ統合後にどのようなシステムを利用して活用していくのかが考慮されていなかったり、活用するうえで統合の必要があるデータや、新たに取得できるようにする必要のあるデータが考慮されていなかったりするケースが多いためです。

前提として、データ統合後の具体的な顧客データの活用イメージを持ち、戦略立案およびプランニングを行うことがプロジェクトを成功させるために必要です。

大量の顧客データをExcelで管理しようとする

顧客データ統合を行う際、表計算ソフト「Excel」の利用を考える企業さまもいるかと思います。2020年の段階で、日本企業の内の98.5%の企業がExcelを利用しているという調査結果も発表されているほど、安価で便利なツールだからです。

顧客の属性データのみであればExcelでの管理が可能な場合もありますが、属性データに加えて購買情報やweb行動ログのようなトランザクションデータを扱おうとすると、取り扱う行数が増えて通常業務で利用しているPCでは負荷が大きく、見れたとしても処理に非常に時間がかかったり処理が行えない状態になりExcelでの管理は不可能になります。

また、Excelは複数人の同時編集に不向きであり、一度エラーが起きると元の状態に戻すことが困難です。担当者の工数が圧迫され、目的が達成されずに終わってしまう可能性が高いです。

行動データも扱いたい場合は顧客データを統合できるシステムを導入するか、専用の基盤を構築するのが現実的だと考えられます。詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:Excelを利用したデータ活用のメリット・デメリット

顧客データ統合プロジェクトの進め方

顧客データ統合のプロジェクトは次のようなステップで進むことが多いかと思います。それぞれのステップにハードルがあり、社内で進められる部分と外部のコンサルやシステムベンダーの協力を得ながら進めていくべき部分があります。

  1. 戦略立案
  2. 社内調整
  3. システム選定
  4. システム導入・開発
  5. 実行・運用

自社やグループ会社で開発組織を持っていない場合、特に3~4のフェーズにおいてシステムベンダーの協力を得る形で進める企業が多いかと思いますが、実は1~2のフェーズにてコンサルの協力を得たほうが良いケースが多くあります。

導入が進んだとしても、実行・運用していくところにも大きな壁があります。社内であらかじめ実行・運用のための社内リソースあるいは外部リソースを確保しておいたり、実行・運用のためのプランを立てる部分で初期はコンサルやシステムベンダーのサポートを受けたりといったことが必要になるケースがあるので、プロジェクト開始のタイミングで考慮しておくと良いでしょう。

コンサルの協力が必要になってくる理由としてデータを統合しただけでは何も起きない点、またデータを使った戦略は広く描くことはできても実現可能性の低いものになりがちという点があります。戦略については各事業者が描くべきものですが、絵に描いた餅にしないために戦略の大枠が決まった段階で実現可能性の評価のためにコンサルを入れることはデータ統合プロジェクトの成功の可能性を高めます。

顧客データ統合は事業部横断のプロジェクト

データを統合するということは、多くの部署が関係することになるため、システム選定が終わりいざシステムを導入しようとしたタイミングで、社内調整ができていないとプロジェクトの進行が停滞したり、本当は必要なデータの統合を初期の段階では統合を諦めたりという判断をせざるを得ない状況になる可能性があります。

システムを選定する前に次のような点が整理されていると、正しい選定が行えると同時にその後のプロジェクトがスムーズに進められるようになります。

  1. どこにあるどのデータを統合の対象とするか
  2. 各データをどのように紐付けるか
  3. データを保有している部署の開発リソースの有無

特に、2つ目の各データをどのように紐付けるかという部分については技術に関する知識が必要だったり、そもそもデータが取得できていない部分に関してはどのようにデータを取得できようにするのかの検討が必要だったりするため、社内で判断しきれない可能性があります。

EVERRISEではそのような企業さまのために「データ統合アセスメントサービス」を提供しています。スムーズにデータを統合し、活用できる状態まで構築できるよう、データの整理や品質評価、プロジェクト計画の作成までサポートが可能です。データ統合でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談いただけたらと思います。

データ統合アセスメントサービスについて、詳しくは下記の資料をご覧ください。

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顧客データ統合にはCDPが有効

顧客データの統合には、CDP(Customer Data Platform)が1つの解決策となります。

CDPとは「カスタマーデータプラットフォーム」の略称で、企業の顧客に関するデータを管理し、顧客一人ひとりを理解するための基盤のことです。CDPについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:CDPとは?カスタマーデータプラットフォームの機能やメリット、活用例を解説

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データ統合においてCDPは、各種システムに存在するデータを集め、統合や分析処理をかけたうえで各種システムやツールに対してデータを連携する役割を持ちます。

  1. データ収集
  2. データ統合・分析
  3. データ連携

先ほど書いたようにデータ統合の対象となるデータ、それらのデータをどのように紐付けるか、また他のどのようなシステムに連携して活用するのかを明らかにしておくことで適切なCDPを選定できるようになります。

特にデータ収集とデータ連携の部分では、CDPがコネクタを提供しており開発不要で行える部分もありますが、連携といってもさまざまなの要件を満たさないケースがあります。単にコネクタがあるということのみでなく、要件を満たすか確認して進めるよ良いでしょう。

データを活用するためには、ただ単にデータを集めるのみでなく活用できる形の構造化されたデータを用意したり、集計したデータを用意したりする必要があります。

必要なデータの用意をCDPの提供している機能で実現できるか、一部SQLを書いたりすることで実現できるかといった点も考慮する必要があります。

CDPの選定について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:CDPのメリットと失敗を回避するツール選定のポイント

まとめ

顧客データを統合することで、顧客に対して提供できる価値の向上やそれに伴いビジネスにおけるインパクトが得られるようになりますが、良い形でプロジェクトを推進できないと失敗体験となってしまい会社として顧客データの活用や攻めのDXにおける取り組みがしづらい土壌ができあがってしまうのもまた事実です。

大きな目標の設定と小さな成功体験を積み上げることによって、顧客データ統合・活用のプロジェクトは推進できます。


弊社EVERRISEでは、顧客データをノーコードで管理できるCDP「INTEGRAL-CORE」を提供しており、これまでTVerさまやhoyuさまなどを含め複数社の導入実績がございます。

また、CDPの提供だけでなく、デジタルマーケティング領域における300件以上の開発実績で培ったノウハウから、データ活用基盤構築のためのコンサルティングや自社の基幹システムを含めた各種システムと連携を行うための開発も可能です。

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