2022.07.27

顧客プロファイルの活用例と管理方法|分析・施策の幅を拡げる顧客の可視化

顧客プロファイルの活用例と管理方法|分析・施策の幅を拡げる顧客の可視化

マーケティング活動において、もっとも重要なことの1つに顧客理解があります。顧客を分析し深く知ることができれば、ニーズやインサイトを導き出し施策の改善や新たなアプローチの発案に繋げることも可能です。顧客分析を行ううえで顧客プロファイルの構築が必要です。

本記事では、顧客プロファイルを構成する要素や、有効活用のための管理方法について紹介します。

顧客プロファイルとは

マーケティングにおける「顧客プロファイル」とは、顧客に関するさまざまな情報が羅列されたデータ群のことです。顧客ごとの氏名やメールアドレス、性別や年齢などの基本的な情報や、購買履歴、webの行動履歴などで構成されます。

顧客プロファイルとは、顧客の属性や行動などのデータをもとに、それぞれの顧客の特徴や意志などを整理した情報の集合です。

出典:Adobe Experience Cloud「デジタル用語事典」

「プロファイル」は、自己紹介の際によく使われる「プロフィール」と同じ意味を持つ言葉ですが、ITの分野では仕様や設定情報がまとまったものをプロファイルと呼ぶこともあります。

顧客プロファイルは、顧客の情報を蓄積し、顧客をより深く知るため、またその作業をより効率化するために作成されます。企業内の事業部やシステム・ツールによって異なる顧客として管理しているデータを収集し、1人の顧客として統合・管理できている状態が、顧客プロファイルとしての理想の姿と言えます。

顧客プロファイルは通常、氏名など個人を特定できる状態で作成されます。しかし、webやアプリでCookieを用いて得た行動情報などから、個人は特定できていないがIDベースで特定ができている顧客の情報を匿名顧客として取り扱う場合があります。匿名状態の時の行動を顧客化した際に利用できることも多く、匿名状態でも顧客を分析できるように、顧客プロファイルとして管理することが望ましいでしょう。

顧客プロファイルの充実は、パーソナライズされた顧客体験の提供やコミュニケーションの最適化を後押しし、永続的な顧客関係構築に貢献するといったメリットに繋がります。

顧客プロファイルの活用方法

分析

顧客理解を深めるためには顧客分析が欠かせません。よく用いられるのは次の4つの分析手法です。

分析手法 内容
行動トレンド分析 顧客の過去の購買傾向からシーズンごとの購買率を導き出す分析手法
セグメンテーション分析(クラスタ分析) 既存顧客の共通項を洗い出し、自社のターゲット像の指標を作成するための分析手法
RFM分析 Recency (直近購入日)・Frequency(購入頻度)・Monetary (購入金額)の3つの指標から顧客をグルーピングする分析手法
デシル分析 売上貢献度の高い順番に顧客を10のグループに分類し、各グループの特徴を洗い出す分析手法

これらの分析手法について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:ユーザー分析の重要性と手法

マーケティング施策への利用

コミュニケーションの最適化

顧客プロファイルで顧客の最新の状況を把握できていれば、一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取ることも可能です。

例えば、顧客の属性や行動履歴から顧客が興味関心を持っている情報や製品を予測し、新製品情報やキャンペーン情報を送信することが可能です。逆に顧客自身が得たい情報を選択し、それが顧客プロファイルに反映されていることで、顧客にとって不要なコミュニケーションを除外することもできます。

また、コミュニケーションや購買の履歴を利用して、同じ内容のメールや購入済み商品の広告などが何度も送られるといった、過剰なコミュニケーションを防ぐこともできます。

特に行動履歴や購買履歴は、より上位の商品購入を促すアップセルや、関連商品などをレコメンドし追加購入を促すクロスセルに役立ちます。

関連:One to Oneマーケティングとは?パーソナライズとの違いや実践事例

施策の適切な評価

顧客の情報がツールやシステム間で分断されていると、広告やメールマガジンなどの個々の施策を適切に評価できないことがあります。

例えばECサイトだけで見ると広告費用対効果の低い顧客が、店舗の購買履歴も合わせて考えると評価が異なった、という場合があります。

企業内の顧客の情報が顧客プロファイルに集約されることで、マーケティング施策の正しい評価に繋がります。

顧客プロファイルに含まれるべき項目(データ)と収集方法

顧客プロファイルには顧客に関するあらゆる情報を格納できますが、ここではマーケティングへの活用にあたって代表的な項目(データ)の種類と具体的な収集方法について紹介します。

ID

顧客プロファイルを作成するには、各種ツール・システムのデータを統合するためのIDが必要です。

SSO(シングルサインオン)などを導入して共通のIDが付与されている場合はそれを統合IDとして利用しますが、共通のIDが無い場合はメールアドレスをもとに統合することが多いです。

属性データ

属性とはその人が持つ性質や特徴のことで、下記のような種類があります。

属性データの種類 項目(データ)の例 収集方法
個人情報データ 氏名
メールアドレス
電話番号 など
webのフォーム
アンケート など
デモグラフィックデータ 性別
年齢
年収
居住地域 など
webのフォーム
インタビュー
アンケート など
サイコグラフィックデータ 趣味
価値観
ライフスタイル など
webのフォーム
インタビュー
アンケート など

個人情報データ

氏名、メールアドレス、電話番号など、その情報単体や、組み合わせることで個人が特定できるデータです。主にwebのフォームやアンケートなどから収集します。

デモグラフィックデータ

デモグラフィックデータとは、性別、年齢、年収、居住地域などその人が持つ基本的な属性のことです。主にwebのフォームやアンケート、インタビューなどから収集します。また、SNS連携によって間接的に情報を得ることもあります。

デモグラフィックデータの中には、氏名などと組み合わせることで個人情報データとなるものも含まれます。

BtoBでは顧客個人のデモグラフィック情報のみでなく企業規模や業界といった情報が重要な場合もあり、企業マスタを作成して、顧客プロファイルと紐づけて利用することもあります。

サイコグラフィックデータ

心理学的な特性のデータのことで、顧客の価値観、趣味・嗜好、ライフスタイルなどがあります。主にwebのフォームやアンケート、インタビューなどから収集します。

行動データ

行動データは、顧客のweb閲覧履歴や購買履歴、VOC(Voice Of Customer:顧客の声)と呼ばれる顧客からの意見や要望など、さまざまな行動履歴のデータで、下記のような種類があります。

行動データの種類 項目(データ)の例 収集方法
web行動データ 流入経路
訪問日時
閲覧ページ など
web解析ツール など
アプリ内行動データ アプリの起動日時
表示スクリーン(コンテンツ)
イベント実行日時 など
アプリ解析ツール など
購買データ 購入日時
商品名
売上金額 など
POSシステム
ECカートシステム
web解析ツール など
店舗利用データ 来店日時
特定行動の実行日時 など
アプリ
チェックイン端末
センサー、ビーコン など
VOC(顧客の声) アンケート回答
SNS投稿
レビュー
問合せ など
コールセンター
各種SNS
アンケート

顧客プロファイルの作成方法と注意点

1. 顧客プロファイルの項目の決定

顧客プロファイルに含める項目が決まれば、必要なデータを収集し蓄積することで顧客プロファイルの作成が可能になります。

ここで注意しなければならないのは、顧客プロファイル内のデータの中身は動的に変化するものであり、定期的に更新が必要になるという点です。特に行動データは日々変化し、増え続けます。顧客プロファイル内のデータの最新性を保つためにも、頻繁に更新し続ける必要があります。

項目数が増えるほど管理コストが膨らむことになるため、データの利用目的を明確にしたうえで項目を決定しましょう。

2. 顧客プロファイルを構築するツールの選定

顧客プロファイルを構築し管理するためのツールはさまざまあります。項目や顧客数が少なければ、紙やExcelでも顧客プロファイルを作成することが可能です。

しかし、作成時の注意点にもあるように、顧客ファイルの中身は変化することが想定されます。

管理の点で紙や個人のExcelファイルを用いるのは現実的でなく、顧客情報の管理に適したツールや専用のデータベースに顧客プロファイルを構築するべきです。それぞれのデータの収集元となる他ツールやシステムと連携が可能かどうかも重要になります。

関連:Excelを利用したデータ活用のメリット・デメリット

3. データの反映と統合

項目、ツールが揃えば、実際のデータを反映させることで顧客プロファイルができます。

顧客プロファイルのデータの収集元は、webトラッキングの行動情報やCRMの顧客情報やPOSシステムやECカートシステムの購買情報など多岐にわたり、バラバラに管理されていることがほとんどです。

異なるシステムやデータベースのデータは、それぞれの顧客に照らし合わせて統合する必要があります。統合のための作業にはデータクレンジングや名寄せなど、さまざまなハードルがあります。顧客データ統合の最適な進め方について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:攻めのDX推進における顧客データ統合の失敗ケースと最適な進め方

顧客プロファイルを有効活用するための管理方法

顧客プロファイルは一度作成して終わりではなく情報の更新や追加が発生するため、管理が重要になります。そのため、作成方法でも述べたように顧客プロファイルの管理に適したツールの導入が望ましいと言えます。

これらのツールにはデータの収集・統合と、さらに施策実行を担うツールなどへの連携機能があるため、効率よく顧客プロファイルを管理しながらデータを活用できます。

また、ツール導入するだけではなくデータの運用ルールを策定しておくことも重要です。5W1H(この場合は、いつ・誰が・誰に・何を・どこへ・どのように)でデータの流れを整理し、ルールを決めておきましょう。

ツールにデータを自動収集する機能があっても、元データの更新自体は人が行わなければならないケースもあります。特に部署をまたいだデータのやり取りを行う場合は関係者との認識合わせが大切です。

顧客プロファイル管理に適したツールCDP

顧客プロファイルの管理には、CDPが1つの解決策となります。

CDPとは

CDPとは「カスタマーデータプラットフォーム:Customer Data Platform」の略称で、企業の顧客に関するデータを管理し、顧客一人ひとりを理解するための基盤のことです。

CDPには、顧客プロファイルを自動作成し管理するための機能が標準で備わっており、導入することで多くのメリットを得られます。CDPについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:CDPとは?カスタマーデータプラットフォームの機能やメリット、活用例を解説

CDPで顧客プロファイルを管理するメリット

データ収集による顧客プロファイルデータの充実

CDPは複数のマーケティングツールや社内システムなど、さまざまな外部システムからデータ収集を行います。オンライン・オフラインを問わずあらゆるデータを取得することができるため、より充実した顧客プロファイルを作成できます。

匿名状態の顧客プロファイル作成と統合

CDPでは個人を特定できない匿名状態の顧客プロファイルを自動で生成し、データを蓄積・管理できます。会員登録などで顧客化した匿名顧客のIDが複数存在する場合でも、同一顧客であることを判断して統合することが可能です。これによって優良顧客が匿名顧客だった時点での行動を分析し、他の匿名顧客への施策立案などに役立てることができます。

データ統合によるデータの信頼性

顧客データをどれだけ多く収集できていても、同一顧客のデータが複数存在するなどの問題があると顧客プロファイルとして活用することができません。CDPには名寄せ、クレンジングといったデータ統合機能があり、顧客一人ひとりの情報を正しく整理することができます。

セキュリティ面での信頼性

顧客プロファイルには個人情報も含まれるため、データの安全性が求められます。CDPは個人情報を取り扱うことを前提に設計されているため、標準的にセキュリティ対策が設けられています。また、データによってアクセスできる人を制限するなど、権限管理機能を備えており、顧客データを安全に扱うことができます。

関連:顧客データ活用とプライバシー問題の両立。顧客に信頼されるデータの扱い方

ツール連携による施策への活用

顧客プロファイルはただあるだけでは意味がありません。BIツールを用いた顧客分析や、顧客プロファイルをもとに作成したセグメント情報を使った外部マーケティングツールでの施策実行など、マーケティング活動に顧客プロファイルの情報を用いることで価値が生まれます。

CDPそのものは顧客プロファイルのデータを収集・統合・管理する機能が中心となっているツールですが、他のツールとの連携機能があるため、必要なデータをスムーズに受け渡し、施策実行に繋げることができます。

CDPとBIツール連携について、詳しくは下記の資料をご覧ください。

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EVERRISEが提供するCDP「INTEGRAL-CORE」

顧客プロファイルを活用できれば、顧客の基本的な情報を把握するだけでなく、顧客自身も気づいていないインサイトの発見に繋げることも期待できます。

企業の中では、社内共通の顧客プロファイルが存在せず、顧客の情報が別々に管理されていることが多いのが実情です。

社内の顧客データを集約・管理できる環境を効率よく作るためにも、CDPの導入は1つの手段としておすすめです。

弊社EVERRISEでは、顧客データをノーコードで管理できるCDP「INTEGRAL-CORE」を提供しており、これまでTVerさまやhoyuさまなどを含め複数社の導入実績がございます。

また、CDPの提供だけでなく、デジタルマーケティング領域における300件以上の開発実績で培ったノウハウから、データ活用基盤構築のためのコンサルティングや自社の基幹システムを含めた各種システムと連携を行うための開発も可能です。

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