2022.02.21

CXMとは?顧客体験の向上に役立つ理由と成功させる5つのポイント

CXMとは?顧客体験の向上に役立つ理由と成功させる5つのポイント

近年、市場競争が激化する中で、他企業との差別化要素として顧客体験(CX)向上の取り組みが注目され、実際に取り組む企業が増えてきています。

企業がCXを推進するうえで注目されているキーワードが「CXM」です。

本記事では、CXMとはなにか、CXMに取り組むメリットと成功させるポイントを詳しく説明するとともに、CXM実現に有効的なソリューションを紹介します。

CXMとは

CXMとは「カスタマー エクスペリエンス マネジメント:Customer Experience Management」の略称で、顧客体験管理とも言われます。CXMは、顧客体験(CX)の向上において購買行動のすべてのプロセスで「良い体験を作る」ことにフォーカスし、すべての顧客体験を管理する概念です。

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CXMの概念が広く知れ渡るきっかけとなったのは、バーンド H.シュミット氏が2000年に出版した「経験価値マネジメント」だと言われており、この著書の中でCXMは「顧客と商品や企業との関係性を戦略的にマネジメントするプロセス」と表現されています。

さらに近年、技術の進歩に伴い、CXMはオンラインだけの顧客に対するサービスのみでなく、オフラインも含めたすべての購買行動も含めて顧客理解を深め、CXの向上につなげることで企業のブランドイメージが向上し、収益増加が見込めるようになっています。

CXMツールをCXMと表現する場合もありますが、本記事ではCXMの概念およびCXMの手法について紹介しています。

CXMが注目されるようになった背景

世の中にモノがあふれ、欲しい商品が簡単に手に入るようになったこともあり、消費者はモノそのものより、精神的な豊かさを求める消費行動、いわゆるコト消費と呼ばれる体験に価値を求めるようになりました。

つまり、消費者は商品やサービスから感じる「スペック」や「値段」などの価値だけではなく、企業の提供する商品やサービスを購入する際に体験する「感動」や「心地よさ」「満足度」といった感覚的な付加価値を重要視する傾向が出てきたのです。

さらに、インターネットの普及で顧客とのタッチポイントが増え、どこでどのような顧客体験を提供するのか管理する必要が出てきたため、CXMが注目されるようになりました。

関連:タッチポイント(顧客接点)とチャネルの違い、利益UPのための強化方法

CXMとCRMの違い

CRMとは「Customer Relationship Management」の略語で、顧客関係管理などと呼ばれます。顧客との関係性を構築し、一元的に管理をするための手法やツールを指します。

基本的な機能にいくつか類似点があるため、CXMとCRMは混同されやすいですが、目的が大きく異なります。

CRMは、統計的な数値を収集し分析することで「LTVを最大化する」ことを重視する一方で、CXMは購買行動のすべてのプロセスで「良い体験を作る」ことにフォーカスし、収益の向上を目指す取り組みです。CXMは、顧客関係管理の分野においてCRMの次の段階であるとも言われています。

CRMとCXMが注目された背景として、1990年代の先進国では、大量生産・大量消費を前提としたマスマーケティングが行き詰まり、新規顧客獲得のためのコストは上昇し、消費者ニーズが多様化し始めていました。

企業は顧客を「個人」として捉えたうえで、既存顧客への対応の見直しが必要になり、マーケティング活動におけるKPIを「LTVの最大化」と定め、顧客一人ひとりとの関係をなるべく詳細にデータベース化することによって、それぞれの顧客にニーズに対応した最適なアプローチをすることを目的としたCRMが導入されるようになりました。

関連:LTV向上に必要な4つのポイントとビジネスモデル別LTV向上施策

しかし、実際には限定された接点による施策も多くなり、結果的に本来目的としていたはずの顧客との関係性を強化するどころか、顧客にとって良くないコミュニケーションを取ってしまうことも増えてしまいました。

こうした背景の中で、顧客の感情や生の声を大切にし、顧客が自社の商品やサービスを購入するプロセスや購入後の利用シーンを想定しながら、そこに価値のある経験や体験を付加することによって優良顧客を増やしていくことを目的にするCXMが生まれたのです。

CXMに取り組むメリット

国内において、CXの取り組みは増加傾向にあるものの、まだ取り組めていない段階の企業も多いです。昨今のグローバル市場では、CXは重要な差別化要因となっており、CXMに取り組むことは、ビジネス価値があると考えれています。CXMに取り組むことで次のメリットが得られます。

  • 差別化された体験を提供することにより、顧客のロイヤルティ化と定着率を高め、収益向上を見込める
  • 顧客離反や解約の抑制により、コスト削減が促進される
  • 優れたCXを提供することで、ブランドイメージの向上に繋がる

CXMを成功させるポイント

指標を決める

CXMを成功させるには、客観的に顧客の状態を測るための指標が必要です。 まずは、目標達成の度合いを評価できるようKGI(Key Goal Indicator)で最終目標を決め、KGI達成までのKPI(Key Performance Indicators)を決めましょう。

CXMにおけるKPIに、顧客の自社に対する愛着率・定着率を測る指標はさまざまですが、代表的な指標に、顧客のロイヤリティを示す「NPS」やユーザーの「リピート率」があります。

NPS®(ネットプロモータスコア)は顧客に対して、アンケートなどを用いて商品やサービスを推薦する可能性について質問を行い、その評価を数値として算出します。例えば500人の回答者のうち、200人が「推奨者」(40%)、150人が「批判者」(30%)だった場合、その比率の差は、40-30=10であるため、NPSは「10」と算出されます。NPSは、推奨者が批判者よりも多ければNPS数値はプラスになり、逆に批判者が推奨者よりも多ければNPS数値はマイナスになります。

リピート率は、新規顧客のうち、どのくらいの顧客がリピート購入してくれたのかを示した割合です。リピート率を求める計算方法は次のとおりです。

リピート率=特定期間内のリピート顧客数÷特定期間内の新規顧客数×100

NPSやリピート率が高いほど自社商品やサービスに対する顧客の支持率が高く、顧客ロイヤリティが高い状態だといえます。

顧客理解を深める

戦略的にCXの設計を行うために、指標を決めたら顧客の状況を分析・可視化し、顧客を理解する必要があります。顧客理解を深めたうえでCXの施策を行わなければ、自社にどんな顧客がいるのかを俯瞰・把握できず、スピーディーかつ効率よく改善できません。 顧客理解を深めるための方法について説明します。

まずは、顧客と自社の製品やサービスとのタッチポイントやチャネルを洗い出します。製品やサービスの認知から、購入に至るまでの行程だけでなく、購入後の企業とのやり取りも含めたカスタマージャーニーマップを作成し、顧客の体験の起点から完了までのプロセスを整理します。

カスタマージャーニーマップの一連のプロセスを、セグメントごとに可視化したり、KGIやKPIと照らし合わせながらデータをもとに分析を行い顧客理解を深め、顧客の体験の質をあげる施策を検討します。

顧客ごとにパーソナライズされた顧客体験を提供する

顧客について理解したあとは、先ほどの分析に基づいた顧客体験の提供をパーソナライズして、一人ひとりに合わせたアプローチを行うことが大切です。また、パーソナライズされた体験を提供するうえでは、顧客の置かれている状況やタイミングを考慮することが重要です。

状況やタイミングの判断は、webトラッキングデータ、デバイスの行動情報、オンライン・オフラインも含めた購入履歴のデータなどをもとにリアルタイムに適切なタイミングとチャネルで情報を届けると顧客ロイヤルティを高めることができます。

より良い顧客体験を提供するために重要なことが2つあります。 1つ目に、各タッチポイントでのCXの改善は常にアップデートし続けることが重要です。顧客ライフサイクルの段階ごとに適切な分析を組み込み、常に知見を獲得しフィードバックを行える状態にすることが望ましいでしょう。

2つ目に、顧客体験の良し悪しを決めるのは、コンテンツの質と量と言えます。良い商品やサービスがあったとしても、その価値を分かりやすく伝えられるコンテンツでなければ購入に至りません。また、コンテンツの量が少なければ、顧客が欲しい情報に合ったコンテンツを届けることができず機会を損失してしまいます。これらを防ぐためにも、今あるコンテンツの見直したり、顧客のニーズに合ったコンテンツを作れるよう分析を行い、コンテンツの質と量を担保するための仕組みづくりが必要です。

これらをきめ細かく行うことで、よりよい顧客体験を提供することができます。

運用ができる設計を行う

マーケティングを行う担当者が運用できるオペレーションの設計を行うことが大切です。

きめ細かくパーソナライズされた顧客体験を提供できる施策を考えてついても、現場が運用できなければCXMは成功しません。

現実的に現場で運用できる設計を行ったり、セグメントごとにメールを配信できるような仕組みを作ったり、費用対効果が高いチャネルには、ツールを導入する手段もあります。

効果測定を実施する

施策を実施したら、一定期間を設けて効果があったかの検証を行い、改善を行うことが大切です。検証方法は、ABテスト、CV率などの数値的な計測、各KPIとなる指標、顧客からのフィードバックを収集するなどがあります。これらの検証をもとに振り返りと改善を継続的に実施し、PDCAサイクルをまわしていきながら、顧客体験向上につなげていくことが大切です。

CXMの実現を阻害する要因

すべてのチャネルのCXを統合し一元管理することが理想ですが、技術的な問題、一貫性のないプロセス、組織内の縦割りなど「データのサイロ化」がその実現を阻みます。

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また、高度なCXMを実現するには、顧客データを初めとする、webトラッキングデータ、デバイスの行動情報、オンライン・オフラインも含めた購入履歴のデータなどのさまざまなデータを統合し、一元的な顧客理解を深めることで、統一のある連携性の高い顧客コミュニケーションを展開することが可能になるため、これらのデータを一元管理する、顧客データ基盤を整える必要があります。

CXM実現に有効なCDPでの顧客データ活用

顧客データ基盤は自社で構築することも可能ですが、その顧客データ基盤として、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)も1つの手段です。

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CDPとは「カスタマーデータプラットフォーム」の略称で、企業の顧客に関するデータを管理し、「実在する個人」に紐づけて顧客データを集め、顧客一人ひとりを理解することを可能にするプラットフォームです。

関連:CDPとは?カスタマーデータプラットフォームの機能やメリット、活用例を解説

データを統合して一元的な顧客理解を進める

CDPは顧客に関するすべてのデータを収集し「実在する個人」にデータを紐づけて顧客データを一元管理できます。顧客データを統合し一元的な顧客理解を深めることで、より良いコミュニケーションを展開することが可能になります。

また、CDPを利用することで、顧客一人ひとりを深く分析し、より深く理解することができるようになります。実際に顧客理解を深めるためにダッシュボードやレポートを作成し分析を行います。分析にはBIツールなどを利用して行います。

BIツールはあくまで可視化を目的としたツールであるため、分析のために必要なデータを作成しておく必要があります。CDPでは、BIで効率よく可視化を行うためのデータの構築が可能です。

すべてのチャネルで一貫した顧客体験を提供

チャネルごとに提供するサービスの質の違いを顧客が許容してくれることもありますが、顧客が求めている体験は一貫した対応です。しかしチャネルの多様化により、すべてのチャネルで一貫性のあるコミュニケーションを行うことは難しいですが、CDPは散らばったデータを一元管理すること以外にも、チャネルごとのデータの収集・連携が可能で、顧客に対して一貫した顧客体験を提供できます。

また、顧客セグメントごとにパーソナライズされた顧客体験を提供する際に、セグメント配信が必要になりますが、CDPにはそれが可能です。CDPは顧客一人ひとりのデータを管理画面で集計し、セグメントや分析データとして利用できます。

直感的に使いこなせる操作画面なので、SQLやエクセルで行っていたセグメント作成が簡単にでき、セグメントの洗い替えも自動で行えるようになります。web上での行動内容や行動量といった「行動データ」に基づくセグメント配信も可能です。

EVERRISEが提供するCDP「INTEGRAL-CORE」

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