2022.02.09

タッチポイント(顧客接点)とチャネルの違い、利益UPのための強化方法

タッチポイント(顧客接点)とチャネルの違い、利益UPのための強化方法

マーケティングにおいて、企業と顧客の「タッチポイント」を戦略的に設定することが必要です。

本記事では、マーケティングにおけるタッチポイントについての基本的なところから強化方法まで説明します。また、タッチポイントが増えた場合によく起こる注意点についても紹介します。

タッチポイントとは

マーケティングにおけるタッチポイントとは、顧客のサービスや商品への考え方に対し何らかの変化・影響を及ぼす可能性のある企業との接点を指します。日本語では、顧客接点とも言います。

タッチポイントとチャネルの違い

タッチポイントを説明する際に、よく混合される言葉にチャネルがあります。チャネルも一般的には、顧客と企業の接点と説明されます。

チャネルはweb広告やテレビCM、SNSといった顧客との接点に用いられる手段そのものを指す言葉です。一方、タッチポイントは手段(=チャネル)を通じて、顧客の商品やサービスへの考え方に変化を及ぼす過程も含まれます。

例えば、ECサイトで顧客接点を持ちたいといった場合、ECサイト単体はチャネルと呼び、ここに「初回訪問者から○回目で購入に至るケースが多い」「SNSからの訪問者が多い」「訪問者の9割が20代女性」など顧客の情報を加味し、顧客にあった適切な表現やデザイン・内容を考え、より多くの顧客の考え方や行動に影響を与えられるよう発信するのがタッチポイントです。

本記事では、手段をチャネルとして定義してタッチポイントについて説明しています。

タッチポイントの重要性

かつてはテレビや新聞といったマスに情報ソースが限られていたため、マーケティングを考える際には限られた媒体のみを考えれば大きな問題はありませんでした。しかし、昨今はスマートフォンの普及とともに、消費者が情報を受け取るタイミングやチャネルは多様化してきています。

消費者一人ひとり適切なチャネルが異なるため、企業はチャネルの選択も含め顧客にはどんなタッチポイントが有効的かを探り、戦略的に設定していく必要があります。

フェーズごとのタッチポイントと有効なチャネルの選択

タッチポイントは、オンライン・オフライン問わず多種多様に存在し、消費者の購入プロセスに沿って有効的なチャネルが異なります。

touch point 01

ここからは、消費者のフェーズに合わせて、有効的なチャネルの例とタッチポイントとして設定する際に意識すべき点を説明します。

認知

まずは、消費者に自社の製品やサービスが存在していることを認知してもらうためのタッチポイントを設定しましょう。認知のために有効的なチャネルには、テレビCMやweb広告があります。

一度に不特定多数の認知を得る場合には、テレビCMや店頭ディスプレイ、置き型看板、折り込み広告などがあり、ある程度ターゲットを絞りたい場合は雑誌や新聞の広告、もう少し絞りたい場合はweb広告やSNS広告などのチャネルがあります。BtoBにおいては、展示会を利用しリードの獲得や認知拡大に務めている企業も多いかと思います。

認知は、消費者が初めてその商品やサービスまたは企業を知るフェーズです。そのためタッチポイントの設定の仕方によっては、商品やサービスひいては企業のイメージに大きな影響を及ぼします。設定の際は、それぞれのチャネルを見極めましょう。

興味・関心

消費者が認知をしただけで購入に至るパターンは少ないです。一層、興味を持ってもらえるようにタッチポイントを増やしていくことが重要です。

例えば、展示会やイベントで獲得したリード情報に対してDMを送ったり営業からフォローの連絡を入れるなどをすることで、企業の商品やサービスを知る機会を増やします。webサイト上でのユーザーの行動履歴に基づいて分類し、顧客ごとに最適な広告を配信する行動ターゲティング広告も、顧客の興味関心を高めるタッチポイントとして有効です。

比較・検討

ネットの普及やSNSの発展により、消費者が興味のある製品やサービスについて自ら情報を収集し比較検討を行うケースが増えています。興味を持ったから購入に至るというケースもあるかと思いますが、一般的には比較・検討を行うケースが多いと思います。この比較・検討を行う消費者のためにもタッチポイントを設定する必要があります。

比較・検討を行う消費者へのタッチポイントとして、主にランディングページや自社ホームページ、SEO記事、ブログ、SNS、レビューサイトというチャネルの選択肢があります。 検討の際に消費者がもっとも行う行為は検索です。そのため、タッチポイントを設ける際は、検索を意識して設定しましょう。

検索の上位に表示されるようにSEO対策を行なった記事やランディングページを作成するのも有効です。また、検討の際にお客さまの声やレビューを参考にする消費者も多いです。ランディングページにお客さまの声を載せたり、レビューサイトへの対策などを行いましょう。

購入・契約

比較・検討した後、購入やサービスの契約を行うのが一般的なよくある流れかと思います。購入・契約で有効なチャネルは、商品やサービスの形態によって異なります。

アパレルや雑貨などwebでの購入が可能な事業であれば、自社のECサイトやECモール(楽天・Amazonなど)、自社アプリなどがあります。実店舗をお持ちであれば、店舗での接客というものもチャネルの1つに含まれます。不動産やリラクゼーションなどの対面営業モデルの事業であれば、営業担当者の商談などがあるかもしれません。

企業側からすれば、購入は重要なステージです。そのため、タッチポイントを設定する際は、消費者視点での使いやすさや分かりやすさを意識することが必要です。商品の選択のしやすさ、決済方法の選択の広さなどを工夫することで、購入までのフェーズに来てくれた消費者を逃さないタッチポイントを設定することができます。

リテンション

リテンションとは「維持、保持」といった意味の言葉ですが、マーケティング領域で使用されるときは「既存顧客維持」といった意味になります。

商材の金額にもよりますが、マーケティングで重要なのは、売れ続ける仕組みを作ることです。そのためには、一度の購入や利用だけで顧客が離れてしまうのは、損失に繋がってしまいます。企業が顧客目線に立って、継続的に企業と関係を続けてもらえるためのタッチポイントを設定することが必要です。

ここで有効的なチャネルとしては、ファンサイトやSNSなどのコミュニティでの交流や商品やサービスを利用中の困りごとを解決してくれるFAQやコールセンターなどがあります。

アドボカシー

アドボカシー・マーケティングとは、顧客からのレピュテーション(評判)を徹底的に高めることで、長期的利益を獲得しようとするマーケティングの考え方です。つまり、消費者が、自社のブランドや商品を熱狂的に支持して使ってくれるファンになるというフェーズです。

有効的なチャネルの一部としては、限定イベントやプロモーションへの優待があります。企業からの特別待遇は、顧客自身も特別感を覚えファンで居続けてくれる可能性が大きくなります。

また、ファン同士の交流サイトやSNS、ブログを通じて顧客自らがレビューを行ってくれることで、新たな認知拡大にも繋がります。タッチポイントで、顧客同士を繋げるように促すことも有効です。

タッチポイントを強化する方法

ここからは、タッチポイントを強化するにあたって重要なポイントについて説明します。

ブランドイメージを明確にする

消費者はさまざまなタッチポイントを通じて商品やサービスへの考え方を変化させていきます。消費者が1つのタッチポイントだけで企業を見ているケースは、非常に少ないと思います。

顧客が触れるタッチポイントごとに発信メッセージの軸がコロコロ変わってしまうことは、企業へのマイナスイメージに繋がりますし、消費者に商品のアピールが十分にできずに終わってしまう可能性もあります。ブランドイメージを明確にし、伝えたい軸をブラさないことが重要です。

顧客を理解する

テクノロジーの発展により、チャネルもそれに伴うプラットフォームも数多く存在するようになりました。そのため顧客一人ひとりにあったチャネルを選択し、タッチポイントを設定する必要があります。

SNS1つとってもさまざまなプラットフォームが存在しています。一昔前までは、SNSは10代・20代の若者のものとされてきましたが「2021年12月更新!12のソーシャルメディア最新動向データまとめ」によると、SNS疲れにより若年層のSNSの利用者の割合や利用時間が徐々に減少傾向にあるようです。

また、ダイレクトメールや新聞広告や折込チラシなどは若い層の利用は減ってしまいましたが、今でも一部の高齢者の方々や地方の方々には重要な情報源となっています。このように、消費者が利用する情報収集先は数多くあるうえに、常に変化をし続けています。

顧客をマスで捉えるのではなく個として捉え、理解し、自社の顧客にあうタッチポイントは何かを見極めることが重要です。顧客理解の重要性について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:マーケティングにおける顧客理解の重要性 ~ユーザー分析を阻む課題とは~

カスタマージャーニーマップを活用する

カスタマージャーニーマップとは、消費者の商品との出会いから購買、購買後までの顧客の行動や心理を時系列にまとめて可視化したものです。可視化することで、顧客の変化が明確化し、メンバーと共通認識を持ってタッチポイントの戦略を立てることができます。

消費者の行動や心理が動く際には、必ずタッチポイントが存在します。それぞれのフェーズにどのような心理変化をもたらしたいかをマップに記し、それをもとに適切なチャネルの選択と発信する情報や見せ方を検討しましょう。

複数のチャネルでも一連の体験を提供する

タッチポイントにはオフラインのチャネルとオンラインのチャネルがあります。ただし、オンラインとオフラインを別々のチャネルとして分けるのではなく、融合させ、よりよい顧客体験を提供することが重要です。このような考え方をOMOと呼びます。OMOについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:OMOとは?O2Oやオムニチャネルとの違い、成功事例と実現に必要なポイント

今では、実店舗で商品を見てからwebで購入をするショールーミングや、逆にwebで事前に検索をしてから実店舗で購入するウェブルーミングという形で、ショッピングをする消費者は珍しくありません。その際に、webでのタッチポイントばかりを強化し、実店舗での接客などを疎かにしてしまうと、顧客は購入に至らない可能性があります。

オンラインのチャネル、オフラインのチャネルと分けずに、共通の体験を提供できるようなタッチポイントの作り方をすることが重要です。

タッチポイントごとに顧客満足度を上げる

顧客を理解することにも通じるポイントではありますが、タッチポイントで発信するメッセージや情報は顧客にあった形が望ましいです。

認知からの購入に繋げることもタッチポイントの役割としては重要ですが、購入後も使い続けたりサービスを利用し続けてもらうためのタッチポイントを用意し、コミュニケーションを図ることも重要です。

顧客一人ひとりを把握し、それぞれのニーズにぴったり合うチャネルや情報の見せ方を選択し、それぞれのタッチポイントで顧客満足度を高められるようにしましょう。

PDCAをまわす

タッチポイントを増やせば良いというものではありません。無闇に広告を打って顧客接点の機会を増やしても、顧客にマッチしていなければ不要な情報を発信する企業だと思われ、かえってイメージダウンに繋がりかねません。適切なチャネルで、顧客にあった情報発信でタッチポイントを作りましょう。

そのためには、それぞれのタッチポイントでどのような効果があったのか、逆に効果がなかった理由は何かの調査を行い、PDCAを回しましょう。PDCAを回しながら顧客と企業がよりよくコミュニケーション取れるタッチポイントを見つけることが重要です。

タッチポイントが増えることで起こる問題

認知拡大や購入のための促し、使い続けてもらうためのサポートなどを考えた結果、多種多様なチャネルを用いてタッチポイントを設けている企業は多いかと思います。しかし、多くのタッチポイントを所有することで起こる問題があります。一番の問題は、データのサイロ化です。

それぞれのチャネルに使用しているシステムやツールにデータが管理されているために、データがバラバラになってしまっている状態を「データのサイロ化」と言います。これは、タッチポイントを強化するためには避けるべき状態です。

データがバラバラに管理されている状態では、顧客理解を深めることもタッチポイントごとに評価を行いPDCAを回すこともできません。また管理も煩雑になり、業務効率の低下にも繋がります。

それぞれのタッチポイントごとに導入しているシステムやツールのデータを一箇所に集約し、統合して実在する個人としてデータを紐付けることが重要です。データサイロ化について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:攻めのDX推進を阻害する「データのサイロ化」の問題と解決方法

タッチポイントの管理はCDPが有効

タッチポイントの管理にはCDPが有効です。CDPは、あらゆる顧客のデータを収集・統合し、データを活用できる環境を整えるマーケティングシステムです。また、顧客一人ひとりに合わせた体験を提供できるよう、さまざまな外部ツールに連携することができます。

CDPの導入によって顧客データを一元管理できるので「誰が・いつ・何をした」という情報だけでなく、顧客はなぜ購入したのか?なぜ他企業を選んだのか?という顧客インサイトを突き詰めていくことができます。

そのうえで「顧客目線」のコミュニケーションを実施し、スピーディーに改善を進めていくことが可能です。CDPについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:CDPとは?カスタマーデータプラットフォームの機能やメリット、活用例を解説

昨今、スマートフォンの普及やSNSの発展により、タッチポイントのチャネルはオンライン・オフライン問わず多種多様に存在するようになりました。また消費者一人ひとりが情報に触れるチャネルが異なるため、戦略を立ててタッチポイントを設定する必要があります。

戦略を立てるためには、顧客理解が重要です。顧客にあったチャネルで、顧客にあったタイミングで情報発信をすることで、有効的なタッチポイントを作ることができます。

一方で、無数にタッチポイントを増やしてしまうと顧客理解に繋がらないだけではなく、管理が煩雑になりPDCAを回せなくなってしまいます。そのために、CDPを利用し、設定したタッチポイントの情報を集約し統合することをおすすめしています。

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