2022.02.02

Cookieレス時代に「ゼロパーティデータ」が生み出す真の顧客理解

Cookieレス時代に「ゼロパーティデータ」が生み出す真の顧客理解

Cookieの法規制が強まり、プライバシー意識が高まっている現代。それに伴い、個人情報の取り扱いが再設計されている中で注目されているキーワードが「ゼロパーティデータ」です。

本記事では、ゼロパーティデータとはなにか、1st Party Dataや2nd party Data、3rd Party Dataとの違い、事例から収集方法や蓄積方法について紹介します。

ゼロパーティデータとは

ゼロパーティデータとは、調査企業のフォレスターが2018年11月に以下のように提唱した用語で、顧客が企業・ブランドへ「自ら提供する」情報のことを指します。

Zero-party data (ZPD) is that which a customer intentionally and proactively shares with a brand.It can include preference center data, purchase intentions, personal context, and how the individual wants the brand to recognize her.

ゼロパーティデータとは、顧客が意図的・積極的に企業と共有するデータです。ゼロパーティデータには、メールプリファレンスのデータ、購入意思、個人的背景、ユーザーが企業に『自分』をどのように認識してほしいかなどが含まれます。

引用元:https://www.forrester.com/report/An-Illustrated-Guide-To-Collecting-ZeroParty-Data/RES161015

1st Party Data、2nd party Data、3rd Party Dataとの違い

ゼロパーティデータに関連して1st Party Data、2nd party Data、3rd Party Dataがあります。それぞれの違いは以下のとおりです。

データの種類 Zero Party Data
(ゼロパーティデータ)
1st Party Data
(ファーストパーティーデータ)
2nd Party Data
(セカンドパーティーデータ)
3rd Party Data
(サードパーティーデータ)
データの内容 顧客が意図的・積極的に企業と共有するデータ 自社が直接取得したデータ 他社から入手取得したデータ データ収集専門企業から取得したデータ
データの例 ・家族構成
・趣味嗜好
・興味関心
・購入意向
・次に気になる商品 など
・会員ID
・氏名
・住所
・生年月日
・メールアドレス
・位置情報
・オフラインでの購買情報
・自社に関連する他社の1st Party Data ・ユーザーのwebサイト行動履歴データ
・ユーザーの属性データ
・ユーザーの興味関心データ

1st Party Data

1st Party Dataとは自社で直接取得したデータのことで、以下のような場所で取得することができます。

  • 自社のECサイトやアプリでの会員登録
  • オフラインでのアンケート
  • 自社サイトの閲覧履歴
  • POSデータ など

ゼロパーティデータは「同意を得た1st Party Data」とも解釈されていますが、1st Party Dataはあくまで企業が自社チャネルで収集するオーディエンスのデータです。

一方で、ゼロパーティデータはブランドと顧客の間に信頼関係が成り立っていることが前提でやり取りされるデータであるということが認識しておくべき大きな違いと言えるでしょう。

2nd party Data

2nd party Dataとは、必要なデータを保有する企業から直接入手したデータのことで、他社の1st Party Dataとも言えます。 1st Party Dataで不足している情報を補うために利用されることが多いです。

  • 第三者のwebサイトの閲覧履歴
  • TwitterやFacebookなどのSNSデータ
  • 第三者調査機関を利用したアンケート・顧客の調査結果
  • 第三者メディアの視聴データ など

他社から購入したり、パートナー企業と共有することが多く、出版社やメディアなどが広告主に販売していることもあります。

企業が取り扱うデータには重要な個人情報が含まれるものもあるため、データの売買の際はプライバシーや匿名性に配慮するなど十分な注意が必要です。

3rd Party Data

3rd Party Dataは、オーディエンスデータの収集を専門とする組織が保有するデータのことです。

  • 市場調査データ
  • 天気
  • 人口・世帯に関する統計データ
  • その他国・自治体が公表しているオープンデータ など

大規模なアンケート調査やインタビューなどを行うリサーチ会社から購入することもできますし、誰でも利用できる形で政府が公開している3rd Party Dataなどもあります。

ゼロパーティデータが重要視されてる理由

データの正確性・信頼性が高いため適切なコミュニケーションが取れる

1st Party Data、2nd party Data、3rd Party Dataはその時の購買記録や行動履歴でしかなく、実際に顧客自身がどのように考えているかは推測の域を出ませんが、ゼロパーティデータは顧客が自主的に企業に対して提供するため、より正確なデータを取得できます。

また、消費者が自身に関する詳細なデータを提供しているため、企業はデータの利用目的を事前に開示し、その都度なされる許諾プロセスを経て、消費者に対し何らかのメリットを提示することで成り立っているため、信頼できるデータを収集できることが特徴です。

正しいデータを使ったうえでセグメント分け等ができるため、間違ったターゲティングがなくなり、顧客一人ひとりの好みや志向に合わせて、適切なコミュニケーションを取ることができます。

ただし、顧客の心情は変化していくため、定期的に更新され続けなければ誤ったデータとなってしまうことに注意が必要です。

ポストCookie対策

zero party data 01

国外でGDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州 消費者プライバシー法)といった個人情報保護の法規制によって、消費者のプライバシー保護への注目が高まっています。

加えて、Googleが2022年までに広告目的のCookie利用を段階的に制限すると発表しました。広告目的のCookieとは、複数のサイトから横断的にCookieを付与することで個人が特定できるもので、関係のないページを開いた時に以前見たサイトに関連する広告が表示される、というような同意のないデータ利用が行われる仕組みのものです。

特にweb上での行動を追跡するトラッキング広告は、顧客視点に立ってみると自分の行動が監視されているようで気味が悪く、良い顧客体験であるとは言えません。また、こうした同意のないデータを利用することで広告主やメディア自体の信頼性を損ねる可能性もあります。

こういった背景から、ポストCookie時代と呼ばれる次なるフェーズでは、Cookieデータに依存していないゼロパーティデータのようなデータに関する同意の必要性が重要になってきています。

関連:顧客体験の向上に必要な5つの準備とCX管理に役立つマーケティングシステム

ゼロパーティデータの収集・活用事例

ラコステジャパン

アパレルブランドであるラコステジャパンの事例を紹介します。

ラコステジャパンは、ECサイト利用者の8割が初回購入のみで終わってしまうという課題を抱えており、コロナ禍で利用者が拡大する今、顧客分析を強化してリピーターを増やすことで売上を増加したいと考えていました。

また、ラコステジャパンでは、定番の半袖ポロシャツだけではなく、豊富な種類を取り扱っている長袖ポロシャツも訴求したいという狙いがありました。

以上のことから実施したのが「チャレンジしたい長袖ポロシャツカラー投票」キャンペーンです。ラコステの豊富なポロシャツカラーから、次回チャレンジしたい色と着用シーンなどもあわせてひとつ選んで投票をしてもらい、その情報をもとに顧客ごとに適した「商品案内」を行いました。

さらに、売上貢献が高いロイヤル顧客には「2020秋冬新作アウターコレクション」キャンペーンを実施。アウターのデザインの好みやこだわりを答えると、おすすめのアウターが提案されるというものです。

2つのキャンペーンは、うまくベネフィットを提示したことで、通常のアンケート形式よりも高い参加率を実現でき、個々のロイヤル顧客のニーズをより正確に把握することができました。さらに顧客IDと回答を紐付けることで、店舗接客時にも活用できるデータを収集することができました。

ゼロパーティデータの収集方法

ゼロパーティデータは顧客の意図的な回答として収集する情報であるため、回答を促す企業側の何かしらの投げかけについて、以下の2つを意識することが大切です。

  1. 回答してもらえるものにすること
  2. 適切に回答してもらえるデータにすること

ゼロパーティデータを収集するために顧客に対してただアンケートを求めても回答してもらえることは少ないため「透明性」と「ベネフィットの提示」が重要になってきます。

顧客にとっては得体の知れない媒体や企業に対して情報を提供しようとは考えにくいため、信頼関係があるかどうかは必須です。

また、適切に回答してもらえるデータにするためには「簡単なアンケートにお答えいただければ、お客様に合った商品やサービスをご案内できます」といったように、情報を提供することでいかに得があるのかをきちんと伝えることが重要です。

例えばベネフィットが商品券だったりすると、適当に回答する顧客の割合は増えてしまうかもしれません。データの管理の面で言えば、自由回答だとデータ化しにくいため選択式にすると良いでしょう。

ゼロパーティデータの蓄積方法

ゼロパーティデータは、基本的には「情報に対してなにか返す」ことが前提としてあるので、取得したゼロパーティデータを顧客IDや名前、住所など個人情報と紐づけ、顧客に対して施策として当てたり、セグメントとして切れるデータとして蓄積することができなければなりません。

そういったことからゼロパーティデータの蓄積方法として、CDP(Customer Data Platform)が有効です。

CDPとは、「カスタマーデータプラットフォーム」の略称で、ゼロパーティデータを含め企業の顧客に関するデータを管理し、顧客一人ひとりを理解するための基盤のことです。CDPについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:CDPとは?カスタマーデータプラットフォームの機能やメリット、活用例を解説

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