「モノ消費」から「コト消費」、さらに「トキ消費」の時代へ突入しています。さらにZ世代は「イミ消費」「エモ消費」が増加していると言われています。
本記事では、それぞれの消費行動の特徴や事例、世代による消費の変化、顧客の変化に企業が対応するべきことについて紹介します。
モノ消費とは
モノ消費とは、消費者がお金を使うときに商品の所有を重視する消費行動のことです。
消費者庁が公表している「令和4年版消費者白書」では、モノ消費について以下のように説明されています。
モノ(商品)を購入し所有する消費形態
引用:令和4年版消費者白書
消費者が「電子レンジが欲しい」「有名映画が見たい」「おいしい料理が食べたい」と思って支払いをし、自分のものにする行動がモノ消費です。
コト消費とは
コト消費とは、その商品を所有すること、サービスを利用することによって得られる経験や体験を重視する消費行動のことです。
経済産業省の公表している「平成27年度地域経済産業活性化対策調査報告書」では、コト消費について以下のように説明されています。
旅行、習い事、芸術鑑賞等の機会やサービスを消費する形態
引用:令和4年版消費者白書
また経済産業省の「コト消費空間づくり研究会」では、コト消費について以下のように説明されています。
コト消費とは、魅力的なサービスや空間設計などによりデザインされた「時間」を顧客が消費すること。
7つのコト消費
川上徹也氏の著書「コト消費」の嘘の中では、コト消費は大きく以下の7つに分類できると解説されています。
純粋体験型コト消費
純粋体験型コト消費とは、企業が提供する商品=体験となっている消費のことです。例えば、ホテルや旅館などの宿泊、遊園地などのレジャー施設、アウトドアスポーツや工芸体験などのアクティビティがあります。このような体験を通して、そこでしか得られないモノを販売することで「モノ消費」に繋げることもできます。
イベント型コト消費
イベント型コト消費とは、デパートなどの商業施設で行うイベントでの消費のことです。例えば、北海道展や冬限定のスケートリンク、アニメとのコラボイベントなどがあります。イベント自体で利益を得ることが目的ではなく、イベントで集客したのち、モノ消費に繋げることを期待しています。またイベントを開催することにより、普段訪れない顧客も興味を示してくれる機会となり、新規顧客の獲得に繋がります。
アトラクション施設型コト消費
アトラクション施設型コト消費とは、ショッピングモールなどの商業施設に併設したアトラクション施設での消費のことです。例えば、映画館や美術館、アスレチック、子供向け教育エンタメ施設、水族館、動物園などがあります。これらの施設は集客には効果があり、食事をはじめ、ある程度のモノ消費に繋がるでしょう。
時間滞在型コト消費
時間滞在型コト消費とは、主に商業施設にて居心地のいい空間を作り、長時間滞在してもらうことを目的とした消費のことです。例えば、ゆっくりと本を選ぶことができるカフェと併設した本屋などがあります。前述した「イベント」や「アトラクション施設」なども、広い意味では滞在時間を増やすことに繋がるので、ここにも含まれるでしょう。
コミュニティ型コト消費
コミュニティ型コト消費とは、商業施設内でコミュニティを形成し、モノ消費へと繋げる消費のことです。形成されるコミュニティは「商品を中心としたコミュニティ」と「商品とは関係ないコミュニティ」の大きく2つに分けられます。
商品を中心としたコミュニティとは、ダイビングショップでダイバーが集まり、コミュニティを形成し、情報共有をするなどが挙げられます。商品とは関係ないコミュニティとは、直接は商品とは関係ない社会活動や趣味などのコミュニティをつくるものです。
ライフスタイル型コト消費
ライフスタイル型コト消費とは、商業施設や店舗が消費者のライフスタイルに沿った商品を提供することで、ファンになってもらい購買に繋げる消費のことです。例えば、多様化する生活者のライフスタイルに合わせてインテリアショップや雑貨屋がさまざまな商品を組み合わせて訴求する、などがあります。
買い物ワクワク型コト消費
買い物ワクワク型コト消費とは、モノを買うこと自体がワクワクするようなレイアウトや雰囲気を演出することで、買いたい気持ちにさせる仕組みを作る消費のことです。例えば、ヴィレッジヴァンガードやカルディコーヒー、ロフトなどがそれに当たります。モノ消費との繋がりが強いコト消費と言えるでしょう。
コト消費の事例
東京ディズニーリゾート
日本を代表するテーマパークである東京ディズニーリゾートの事例を紹介します。
東京ディズニーリゾートは、体験型の大型施設であり、コト消費の部類に入ります。「夢と魔法の王国」というキャッチコピーからも分かるとおり、東京ディズニーリゾートに行けば現実を忘れ、非日常を体験することができます。
例えば、ミッキーやミニーなどによるパレードはここでしか体験できないものであり、中には利用者がイベントに参加できるものもあります。他にも園内を歩いているとさまざまなキャラクターと遭遇できたり、店員さんが一芸を見せてくれたりなど、パレード以外にも体験できることがたくさんあります。
東京ディズニーリゾートの入園者数は1983年の990万人から右肩上がりに増加し、2019年にはその約3倍の2900万人になっています。モノ消費の時代から大幅に増えており、国内のコト消費への移行を見て取ることができます。
蔦屋書店
書籍・文具・雑貨・ゲームの販売、音楽・映像ソフトのレンタル・販売が1つのお店に揃った大型複合店舗である蔦屋書店の事例を紹介します。
蔦屋書店では、モノである本を売るのみでなく、読書場所として居心地の良いカフェやバーを併設したりと、コトとして体験的に消費できる形態へと進められています。また、店内で本の著者のサイン会やトークショーなども開催しており、コト消費の需要を獲得することに成功しています。
「日常的エンターテイメント」を提供し、新たな出会いや思いがけない再会に思わず心が動くような選りすぐりの品揃えを感じられる空間を創出しています。
寿司作り体験
2020年〜2022年の3年連続で1つ星ミシュランを獲得した寿司店「匠 鮨 おわな」の事例を紹介します。
「匠 鮨 おわな」は、日本固有の伝統や歴史を体験できるコトとして、寿司作り体験プランを開始しました。洗練されたプライベート感あふれる空間で3密を避けながら、自らがすし職人を体験できる、プレミアムなアクティビティプランです。
プラン内容としては、江戸前寿司の作り方を通じて「日本の匠の技」を体験できるとして、鮮魚を選ぶポイントからネタの切り方、握り寿司・巻き寿司・軍艦巻きの3種の寿司を握り、さいごに自分で作った寿司を食べれるというものです。
国内消費者のみならず、訪日外国人旅行者にも人気を集めています。
AR、VR、MRを使った観光誘致
日本の観光立国の実現に向けて、AR、VR、MRを使った観光誘致の事例が令和3年度版観光白書で紹介されています。
大分県豊後高田市には危険防止のため原則立ち入りが禁止されている橋がありますが、VRを活用し旅行者が橋からの眺めを楽しめるコンテンツを提供しています。
上記の事例から、自治体でも体験型コンテンツの拡充によってコト消費への移行が進められていることが分かります。
トキ消費とは
トキ消費とは、博報堂生活総合研究所が提唱した概念で「その日」「その場所」「その時間」でしか体験できない消費行動のことです。何度も体験・経験できる「コト消費」では満たすことのできない欲求・価値の体験が可能です。
トキ消費の3つの特徴
トキ消費にはコト消費と比較して3つの特徴があるとされています。
非再現性・限定性
1つめは、非再現性・限定性です。
時間や場所が限定されており、そのときを逃すと同じ盛り上がりや感動を二度と得られない体験を指しています。
参加性
2つめは、参加性です。
参加すること自体に価値があり、参加することが目的となることです。単なる来場者や傍観者として消費するのではなく、同じ趣味嗜好を持つ人たちが集まって盛り上がる場に主体的に参加することで不特定多数の人と体験や感動を分かち合うことを指しています。
貢献性
3つめは、貢献性です。
集まりやイベントに対して、各参加者が参加した成果が分かり、その貢献を実感することができることです。
トキ消費の事例
オリンピック
オリンピックの事例を紹介します。
オリンピックは、4年に1度の大会を現地で応援するという「非再現性・限定性」があり、スタジアムで声援を送るという「参加性」もあります。そして、応援している国が勝利したときには一緒に戦ったという「貢献性」も実感できます。
ポップアップストア
デンマークの老舗チョコレートブランドAnthon Bergの事例を紹介します。
ポップアップストアとは、数日〜数週間程度の、比較的短い期間限定で開設されるショップのことです。Anthon Bergは「大切な人への親切な行い」を約束することでチョコを購入できるというポップアップストアを開きました。
店内に陳列されている商品の値札には、値段の代わりに「お母さんの手伝いをする」「友達の家の掃除を手伝う」など30種類以上のさまざまな「親切な行い」が記載されています。レジではiPadを使って「親切な行い」を実行する相手をFacebookで選び、その行いを必ず実施するというメッセージを相手に送ることで支払いは完了となり、チョコレートを無料でゲットできるというものです。
心が温まるこのストアには長蛇の列ができ、消費者はAnthon BergのFacebookページに写真付きで約束を守った模様を多数投稿していったそうです。ソーシャルギフトの要素を盛り込んだトキ消費の好例と言えるでしょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングの事例を紹介します。
クラウドファンディングとは、インターネットのサイトでやりたいことを発表し、賛同してくれた人から広く資金を集める仕組みのことです。
寄付をした人は、自身の消費が役にたっているという自己満足感、大きなものを作成するうえで自身がその一部を担うという達成感、社会的役割を実感することで得られる承認欲求などが消費の動機づけになっています。
イミ消費とは
イミ消費とは、ホットペッパーグルメ外食総研エヴァンジェリストの竹田クニ氏が提唱した概念で、ある商品を消費することにより生まれる社会貢献的側面を重視する消費行動のことです。
例えば「環境保全」「地域貢献」「フェアネス(正義)」「歴史・文化伝承」「健康維持」などがキーワードで、自分がどうありたいか、あるいはどうあるべきかを指標として経済活動を行います。
イミ消費の事例
災害のあった地域の食材を使う飲食店
飲食店では、美味しい料理や気持ちの良いサービスを提供することに加えて「食べることで自然や社会に貢献する」という付加価値がついた消費がイミ消費になります。飲食店側は、提供する料理の食材や、その食材が育まれる自然環境、そして生産者を大切にする姿勢を消費者と共有します。
雇用を生み、環境にもやさしい商品
世界トップの充電効率を誇る瓶型ソーラーランタンであるソネングラスという商品があります。ソネングラスは1つ1つハンドメイドで作られており、そばに置ける防災グッズにもなり、太陽光でもマイクロUSBでも充電が可能です。
ソネングラスが生まれた背景は、電力のない地域で暮らす現地の人々の存在でした。失業率が40%を超える南アフリカで、ソネングラスの生産という雇用を生み出したのです。自然エネルギーを日常的に利用できるだけでなく、環境にも人にもやさしい商品となっています。
廃棄残布を使ったアパレルブランド
ファッション産業は、2番目に地球環境を破壊している産業と言われており、日本国内では年間100万トン(約30億着分)が廃棄されていると言われているにも関わらず、衣類の生産量は年々増えており、2030年には全世界で生産量が1億200万トンに到達する見込みです。
coxcoは、そんな社会課題に向き合うファッションブランドです。単に服を作って販売するのではなく、倉庫に眠る生地をアップサイクルしており、流行に流されず⻑く着られるように、その人自身のこだわりや着こなしを反映しやすいスタンダードな服を作っています。
縫製も高品質にこだわり、国内でも優れた縫製技術を持つ「Jクオリティー」として認められている縫製工場で制作し、すべてMade in Japanになっています。オシャレすることで結果「社会貢献していた」という状態を作れるブランドを目指しています。
エモ消費とは
エモ消費とは、コラムニストの荒川和久氏が提唱する概念で、精神的な満足度を重視する消費行動のことです。
エモは「エモーショナル(emotional=感情的)」が語源で、ロジカルに説明できないが満たされる、砕けた言い方をすれば「なんかいい」という意味を持ちます。自分のためにお金を使うことが多い若年層や独身者がターゲットとなっており、手間暇もお金もかけ、人と人が繋がって感情をシェアすることが特徴です。
エモ消費の精神的な満足度とは、感情の共有によって「その瞬間通じ合えたコミュニティ」を創造することで自分の居場所を確認する行ために近く、消費者の関与によって完成するからこそ「エモい」という感情が生まれます。
エモ消費は一部コミュニティで積極的に使用されている概念であり、広く一般的に知られたものではないため、これから先多くの目に触れ概念が変化したり、また異なる特徴が提唱される可能性もあります。
エモ消費の事例
推しの誕生日祝い
CD複数枚購入と違って推しに直接お金を注ぎ込むわけではありませんが、手の込んだ誕生日祝いやグッズを制作し、それをSNSにアップして推しへの愛を伝え、周りにアピールすることで精神的満足感を得るという消費がエモ消費になります。
これらの活動を支えるためにさまざまな応援グッズが発売されており、300円均一ショップである3COINSでは「ヲタ活応援コーナー」があります。これは若年層のエモ消費に着目した商品展開であると言えます。
フィルムカメラ
スマホで簡単に写真が撮れる時代ですが、現像する手間もかかり、クリアな写真は取れないフィルムカメラが注目されています。そのめんどくささと、フィルムカメラならではの味、光の加減でその瞬間しか取れないような写真を撮れることがエモいためです。
音楽フェス
CDは買わないのに音楽フェスに行く若者は多いです。それは幸せの感情をその場にいる人間と共有することで、コミュニティ帰属意識を確認できるため、若者にとってはエモ消費にもなっているのです。
変わりゆく消費行動
ここからは消費活動が変化していった背景と、これから企業が考えていかなければならないことについて説明します。
モノ消費からコト消費へ
消費の成熟化
消費傾向がコト消費に変化した背景には、国内における消費の成熟化が挙げられます。モノが少なかった時代には、人々の生活を豊かにするようなモノやサービスが求められ、商品自体の機能やサービスの良さが価値とされていました。
しかし、経済成長などで多くの人にこれまで必要とされてきたモノが行き渡り、いつでもどこでもサービスを受けられるようになったことで、モノ自体への意識が薄れるようになります。例えば、昼食を食べたいときには近くにコンビニエンスストアやファストフード店がありますし、飲み物が必要になれば自動販売機やカフェで購入できます。
また、ネットショッピングの登場によって、地域ごとのモノの入手難易度の差がほとんどなくなりました。例えば、北海道にいても東京で作られた商品を届けてもらうことが可能になり、反対に東京から北海道の名産を消費することも可能になりました。
このように欲しいものをより便利で簡単に入手することが全国的にできるようになり、いつでも必要なモノが手に入るようになった結果、商品の機能自体の価値よりも、商品購入だけでは得ることができない、体験や経験などの「コト」に対する消費意欲が高まったのです。
ミレニアル世代の台頭
ミレニアル世代とは、1980年から1995年の間に生まれた人たちのことで、2020年に25歳から40歳を迎える世代のことです。
ミレニアル世代の特徴は、デジタルネイティブであることです。物心がついたころにはITが急速に普及しており、幼いころからパソコンや携帯電話を使っていた人も多くいるため、オンライン上のサービスを活用することが当たり前となっています。商品やサービスの情報を常にデジタルで入手しているミレニアル世代には、価格や商品力だけでは、他社との差別化を図ることが難しくなりました。
また、セールスフォースの調査によると、ミレニアル世代の86%が「より良い顧客体験を受けるためならより多くのお金を払っても良い」と回答しており、価格や商品力だけで商品を選んでいるのではなく、どれだけ自分に合った体験やコミュニケーションを提供してくれるかを重要視しているかが分かります。
以上のことから、日本においてモノ消費からコト消費へ移行する流れが強まりました。
さらにトキ消費へのシフト
スマートフォンの普及とSNS疲れ
モノ消費からコト消費へと移行していきますが、スマートフォンの普及が加速し、多くの世代や人々がSNSを利用するようになると、自分ではなく他人が経験したコトに関する情報をSNSで収集することが可能になり、疑似体験できるようになりました。
一時期は、購入しても一度着ているところを撮影してInstagramで公開し、いいねやコメントが集まればすぐにメルカリなどを利用して転売してしまう「ワンショット消費」も行われるほどでしたが、このような体験を共有するツールの発達と普及が、やがて他人の体験を疑似体験できた人はあらためて自ら体験することへの意欲を失い始めます。
加えて、SNS疲れや一部からはリア充アピールとも言われる世間の流れはコト消費への意欲も失わせ、その結果、消費者が単独で何かを体験するコト消費に対する欲求が薄れ始めてきます。そこで消費者は「今そこでしか体験できない」トキの過ごし方を楽しむことに価値を見出すようになっていったのです。
コロナウイルスの影響によるトキ消費のオンライン化
2020年には、新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止となり、リアルな参加ができなくなりました。それによって「トキ消費のオンライン化」が加速したことも、消費の変化に影響しています。
アーティストの音楽ライブ配信にとどまらず、同じ趣味や嗜好を持ったファンミーティング、オンラインサロンはコロナ前と比較して増加しています。さらに、YouTuberや、生配信を行い投げ銭を収入源とするライバーもコロナ禍において倍増しています。
時間の余裕がない、物理的な距離などでトキ消費を諦めていた人々も、オンライン化によって参加のハードルが下がり、トキ消費の需要が増えたと言えるでしょう。
Z世代はイミ・エモ消費が増加
社会問題への注目と他者への貢献
Z世代は、膨大な情報やコミュニティを選択できる環境に置かれていることから、ジェンダーや社会問題に対しても興味関心が強く、多様性を認め、個性を尊重する価値観をもつ傾向にあると言われています。
また、2010年ごろ、特に震災直後から消費行動の変化が起きていると言われており、近年の甚大化する自然災害などの経験によって「地球市民として正しい消費をしよう」という気持ちが加速してきています。SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて世界が動き始めていることも、今の若い世代に大きく影響を与えているでしょう。
ただモノを購入したり、自分が楽しむだけでなく、そこに社会的・文化的価値を求める消費行動は、クールなことだとZ世代の共感を呼び、ますます広がっていくと考えられます。
目には見えないものへの価値
現代は、モノに対して目には見えない価値を求める世の中にシフトしつつあります。消費者は、社会貢献に繋がる正しい消費を選択することにより得られる、満足感や肯定感を求めているのです。
こういったイミ消費はソーシャルグッドと呼ばれ、若者からも支持を集めています。自らの消費で誰かの役に立つアクションを起こせるという点が、共感を得ている理由と言えるでしょう。
消費活動の変化に企業が対応するべきこと
上述のようにモノ消費からさまざまな消費活動へとシフトしていますが、コト消費やトキ消費などに注目して何で売上を出すかを忘れてはいけません。
例えば、本屋にて入場無料のサイン会が盛況となったとしても、本が売れなければ売上は立たないためマーケティングは失敗です。そうならないために、サイン会の参加条件として規定の本の購入を定めたりと、コトとしてのサイン会とモノとしての本の消費を結びつける必要があります。
モノ消費とその他の消費を考える際に留意すべき点は、その両方の関係性で「モノがあるからコト(あるいはトキ、イミ、エモ)が生まれるが、コトからモノは生まれない」ということです。モノ消費とその他の消費との繋がりを考えることが大切です。
また、さまざまな消費行動が生まれているということは「欲しい」「やってみたい」と思うタイミングが人それぞれ異なるということです。
モノ消費からコト消費にシフトしていると言っても、ブランドが好きな人やスポーツカーが好きな人は一定数いますし、逆にミニマリストのように所有せずにさまざまなサービスを利用する人もいます。
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無料資料:データによる顧客中心のコミュニケーション再構築|これからの市場で選ばれる企業になるために
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関連:CDPとは?カスタマーデータプラットフォームの機能やメリット、活用例を解説
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