2023.05.12

CDP導入ガイド:メリット・選び方・注意点を導入事例とあわせて紹介

CDP導入ガイド:メリット・選び方・注意点を導入事例とあわせて紹介

データを効率的に活用するために、ここ数年で導入が増えているCDP。CDPは企業の顧客に関するデータを管理し、顧客一人ひとりを理解するための基盤ですが、導入することで具体的にどのようなメリットがあるのか、多数あるCDPの中でどのツールを選べばいいのか疑問に思う方は多いかと思います。

また、CDP導入の手順やプロジェクトの進め方が分からないという声もよく耳にします。CDPの導入は、ポイントを押さえておかないと思ったようにデータを活用できなかったり、導入スケジュールが大幅に遅れたりするため、事前準備が大切です。

本記事では、CDP導入のメリットやツールの選び方、CDP導入時の5つの注意点、CDP導入フローなどを紹介します。

なお、弊社EVERRISEでは、国産CDPである「INTEGRAL-CORE」を提供しており、その知見を活かしてCDPの導入を検討する際に参考にしてほしい情報を無料資料にまとめています。CDP導入後の具体的な利用イメージを掴めるかと思いますので、本記事と合わせてぜひご活用ください。

CDP検討マニュアル

CDP導入の5つのメリット

CDPを導入する目的の1つとして顧客理解があり、それを達成するためにCDPは顧客データを「収集・統合・加工・連携」する機能を備えています。

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CDPを導入することで、どのようなメリットがあるのか具体的に確認していきましょう。

CDPの選定について知りたい企業さまは、こちらをクリックしてください。また、CDPの導入手順について知りたい企業さまは、こちらをクリックしてください。それぞれクリックすると、本記事の該当の説明部分までスキップできます。

Zero / 1st Party Data活用のインフラとして役立つ

昨今、世界的にプライバシー規制の動きが加速しており、プライバシー問題とデータ活用の両立が課題となっています。

日本では2022年4月に改正個人情報保護法が施行されました。また、プライバシー保護の観点から、2024年までには主要ブラウザでの3rd party Cookieが完全廃止となる予定です。

さまざまな規制によってCookieやデバイスID、そして3rd Party Dataの活用を軸にマーケティングを考えるべきではなくなってきています。企業は個人情報保護の原理原則に則った形で、自社のwebサイトやサービス上での顧客データ、すなわちZero / 1st Party Dataといった本人の許諾をとったデータを活用する必要が出てきています。

Zero / 1st Party Data活用には、顧客データの「収集・統合・加工・連携」の機能が必要であり、それらの機能があらかじめ備わったCDPで対応していくことができます。これからマーケティングにおいて、積極的にZero / 1st Party Data活用を進めようと考えている企業は、顧客データのインフラとして検討していくと良いでしょう。

無料資料:Zero / 1st Party Dataを活用したマーケティング施策5選|強まるCookie規制に対する次の一手

システムごとに管理されている顧客データを一元管理できる

CDPは、自社のシステムや利用中のツールからオンライン・オフライン問わず、あらゆる顧客データを収集し、一元管理することが可能です。

近年、顧客データはサービスの運営に利用する基幹システムに保存されている会員情報のみでなく、さまざまなマーケティングツールを組み合わせて業務を行っている企業が多くなっています。

利用できるデータが増えている一方で、webサイトやSNS、メルマガ、アプリなどそれぞれのチャネルごとに顧客データがバラバラに管理されているケースが少なくありません。このように、収集したデータが一元管理されておらず分断している状態を「データのサイロ化」と呼びます。

データのサイロ化が起きていると、ツール単位・施策単位でしか顧客を理解できなかったり、本来顧客であるはずの人物に対してチャネルごとに別の人物としてカウント・分析されるケースが多々あり、結果として誤った分析をもとに施策の評価を行ってしまうといったことが起きます。

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関連:「データのサイロ化」5つの問題と解決策。攻めのDX推進を妨げるサイロ化の原因とは

また、使用するマーケティングツールが増えるほど、マーケティング担当がCRMの顧客情報をエクセルで出力して、MA用に加工してアップロードする…といった各々のシステムに合わせる手間が発生したり、日々の業務に必要なレポートを抽出する作業にも時間がかかり、施策の立案や実行などのマーケティング業務より「作業」を行う時間が増えてしまうのです。

CDPで顧客データを一元管理することで、より正確な分析を行い、スピーディーなマーケティング活動を実施することができます。

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また、MAやSFAなどは一部のオンラインデータしか収集できませんが、CDPであれば特定の部署のシステムで収集したデータだけでなく、他事業部・グループ会社のデータや天気・位置情報などの3rd Party Data、顧客の店舗来店のビーコン検知、AIカメラによる顧客の識別データなども取得できます。

それらの膨大なデータを収集したのち「実在する個人」に紐づけて顧客データを統合します。メールアドレスなどの基本情報、店舗の来店履歴、購入した商品など、すべての顧客データを1つのIDで管理できるようになります。

無料資料:データ統合で何が変わる?顧客体験を高める顧客データ統合の基礎の動画はこちら

顧客一人ひとりを深く分析できる

CDPは顧客理解を深めることを目的としたマーケティングシステムです。

CDPを利用することで「誰が」「いつ」「何をした」という情報をもとに、顧客のニーズは何なのか理解を深め、加えて、なぜ購入したのか、なぜ他企業を選んだのかという顧客インサイトも突き詰めていくことができます。データも永続的に管理できるため、顧客を長く追って行けることも特徴です。

関連:顧客インサイトとは?事例から学ぶ顧客の本音の見つけ方

昨今のマーケティングは「知って、調べて、買う」というユーザー行動から「体験をして、また買ってもらう」というLTV(ライフ タイム バリュー、顧客生涯価値)を重視するようになってきたため、以前よりもいかに顧客のニーズをキャッチできるかが重要視されています。

CDPは「実在する個人」にデータを紐づけて統合するシステムであるため、顧客を深く理解することに役立ちます。名前やメールアドレスなどの個人情報、webサイトやアプリでの行動履歴、店舗での購入履歴など、顧客に関するすべてのデータを収集し、個人プロファイルにしてデータを蓄積していきます。

データが精密になっていくと、いま顧客が何を求めているのか、店舗とECサイトのどちらでの購入を好むのか、新作商品への興味関心など、自社の「本当の顧客像」として可視化することができるのです。また、CDPはデータ統合によって顧客一人ひとりを細かく分析するだけでなく、性別や年齢を始めとしてさまざまな角度からセグメント別に分析することもできるため、顧客理解を進めることが可能です。

関連:セグメンテーションとは?2つの観点での活用方法と業界別の具体例

CDPを利用することで、顧客が求めているものや特定の商品についてニーズが明確になり、LTV向上のための顧客に合わせた新商品開発の検討などにも繋がります。

顧客に合わせたマーケティング施策ができる

CDPは顧客データを一元管理し、顧客の興味・関心などを的確に掴むことができるため、顧客一人ひとりに対してより最適化された情報を届けることができます。

顧客データが散らばっている場合は、同じ顧客に対して同じ内容のメルマガとプッシュ通知を配信してしまい、顧客にとって「うっとうしい」コミュニケーションをしてしまっているケースがあります。

顧客ごとに受け取りたい情報やチャネルは異なります。CDPは、柔軟にセグメント作成できるため、適切な配信除外の設定を行い、不適切なコミュニケーションを防ぐことができます。

また、CDPは常に最新のデータを確認できるため、データの分析や施策を高速化できるうえ、定期的な処理として実行できるように設定することでデータの更新作業を不要として、人的コストを大幅に削減することも可能です。

加えて、CDPにはリアルタイムな処理に強みを持っているツールがいくつか存在します。リアルタイム性についての強みを持つCDPを利用すれば、顧客が店舗へ来店したタイミングで、その顧客に合わせたクーポンを配信する、というような施策も可能です。

より顧客に最適な情報をリアルタイムな解析結果をもとに配信することで、より良い顧客との関係の構築に繋がります。

無料資料:データによる顧客中心のコミュニケーション再構築|これからの市場で選ばれる企業になるために

他部署との連携・他事業への展開ができる

CDPでの分析結果を社内(グループ会社)で共有することで、さまざまな部門で活用できるようになります。各部門がそれぞれに業務を改善することで、社内全体の効率化も図れるようになります。例えば、下記のような使い方です。

  • マーケティング部門:顧客へのマーケティング施策
  • お問合せ対応部門:クレーム対応
  • 企画部門:顧客ニーズを踏まえた新商品開発
  • 製造部門:生産数や期間の調整

またCDPの顧客データは、異なる事業を行っている部署との連携や他の商材のクロスセルにおいても、顧客との関係性を活用できる可能性があります。複数事業を展開している不動産のビジネスを行っている企業を例にすると、CDPに統合している賃貸不動産の顧客データを投資用不動産や保険に活用するなどです。

エリアや商品により担当する部署が異なる場合でも事業部間やグループ会社間でデータ連携ができていれば、引き続き過去の購入時の一連の情報をもとにした最適な提案に活用できます。

CDPの導入事例

弊社EVERRISEが提供しているCDP「INTEGRAL-CORE」を利用いただいている企業さまの中から、海外でのコーヒー農園事業からコーヒーの製造・販売、飲食事業まで、コーヒーに関するさまざまな事業を手掛けているキーコーヒー株式会社さまの事例を紹介します。

キーコーヒーさまは、メーカーとしてのBtoB、BtoCのビジネスのみではなく、コーヒーファンのためのコミュニティサイトやセミナー、直販のECサイトなど顧客と直接コミュニケーションを行うサービスも展開しています。

それぞれのサービスでデータをもとにした改善は進めていましたが、より良い顧客体験を提供するためにバラバラに管理されているデータの統合を検討していました。

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その中で弊社EVERRISEは、CDP「INTEGRAL-CORE」導入によるデータのサイロ化の解決、CDP「INTEGRAL-CORE」内のデータを活用するためのBIツール構築、メール配信ツールおよびweb接客ツールとの連携支援を行いました。

課題 ・オウンドメディアなど複数チャネルのデータを統合し、横断的なデータ分析・活用がしたい
・より良い顧客体験を提供し、顧客ロイヤルティを向上させたい
解決策 ・CDP「INTEGRAL-CORE」の導入
成果・効果 ・施策のKPIとなるデータをBIツールで可視化
・マーケティングツールとの連携により顧客に合わせた施策が可能に

今後は、顧客データを活用し、顧客との接点を増やしながら、さらにファンを増やせるような施策を実行していく予定です。

キーコーヒーさまの事例について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連記事:CDP「INTEGRAL-CORE」導入事例|キーコーヒー株式会社・データ統合でチャネルを横断した分析と顧客コミュニケーションの最適化を実現

また、弊社のCDP「INTEGRAL-CORE」の詳細は、下記の無料資料をご活用ください。機能や特徴の詳細、ユースケースなどを紹介しています。

無料資料:CDP「INTEGRAL-CORE」サービス資料のダウンロードはこちら

CDPの導入を考えるタイミング

CDPの導入は以下のタイミングで検討されることが多いです。

  • システムコストの削減・柔軟な環境を作りたいとき
  • 顧客エンゲージメントと売上の向上を実現したいとき
  • 顧客との直接コミュニケーションができる環境を作りたいとき
  • プロモーションの計測・評価ができる環境を作りたいとき など

自社にCDPが必要なのか迷われている方は、CDPを提供している企業と複数コンタクトを取り、どのような課題を持っているのか相談し、検討していくと良いでしょう。

CDP導入時の5つの注意点

データを収集・統合する目的を決める

CDPは「実在する個人」に紐づけて顧客データを集めるプラットフォームであり、CDP導入の主な目的は顧客理解を元にした施策の実施です。目的を決めずCDPを導入しても、データを集めるだけのツールとなってしまい、顧客理解を進めることはできません。

CDPを導入してデータをどのように利用したいか、顧客に対してどのようなアクションを行いたいかを考慮したうえで、目的を定めることが大切です。

データ収集・統合の目的の決め方の詳細については、下記の無料資料内で実際の事例とあわせて紹介しています。

無料資料:企業を強くするデータの持ち方・使い方のダウンロードはこちら

導入のステップ・KPIを明確にする

CDPの導入のプロジェクトとして、目的を整理した結果、数年の長期的なプロジェクトになるケースは少なくありません。ステップを明確にし、また初期のフェーズで一定の評価ができるアウトプットを出せるように計画する必要があります。

KPIの設定は、業務効率化の観点と売上向上の観点の2軸で設定すると良いでしょう。プロジェクトの規模によりますが、関係する部署やシステムが多く存在する場合には、売上向上の観点での成果が出るまでに時間がかかるケースもあります。

初期のフェーズとしてターゲットとすることが多いのが、レポートの自動化および分析の深化です。レポートの自動化は、業務効率化の観点にはなりますがコスト面での評価が行いやすいです。

また、分析の深化は、今まで分析できていなかった、分析に非常に時間がかかってしまっていた部分を見ていくことで、後の施策の実施における成功確度の向上や期待値の見積もりの精度を高めることに繋がります。

関連:KGI・KPIとは?企業別の事例と設定手順、KPIツリーの作り方

データを把握・整理する

CDPを導入する前に統合させるデータがどのシステムに入っているデータなのか、別部署が管理しているデータはないか、またシステムを管理しているのは誰か(特に外部のベンダーが管理している場合の調整に時間がかかるケースが多い)など、社内のあらゆるデータを把握し、整理することも大切です。

データの整理をしておかなければ、CDPを導入しても実際に見たいデータや活用したいデータを作ることができない、一部不足してしまうといった可能性があります。

また、CDPを導入している途中でデータが欠損していたり値が間違っていたことに気がつくと、データを入力し直すのか、また時間をかけてデータを集め直すのか、新しくデータを取るデジタルタッチポイントを作るのか、というところまでさかのぼってデータを整理する必要が出てきます。

データの統合後の目的に応じた活用が戦略としてある中で、データの統合の段階でもともとの計画から大幅な遅延が発生すると、評価が行えずプロジェクトの推進が困難になる可能性さえあるため、データは早い段階で整理しておきましょう。

なお、弊社EVERRISEでは、データ統合・活用に関する課題を抱えている企業さまを対象とした「データ統合アセスメントサービス」を提供しています。スムーズにデータを統合し、活用できる状態まで構築できるよう、データの整理や品質評価、プロジェクト計画の作成までサポートが可能です。

データ統合でお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。。データ統合アセスメントサービスの詳細については、下記の無料資料でもご覧いただけます。

無料資料:データ統合アセスメントサービスご紹介資料のダウンロードはこちら

他部署と協力して導入する

CDPは社内の顧客データを収集して統合するので、マーケティング部などの特定の部署だけでなく、システム部をはじめとして、目的に応じて会社全体で連携して導入を進めることが大切です。

また、外部のベンダーにすべて委託するという形にすると、市場の変化に対して柔軟に対応することが難しくなるため、社内で部署横断のプロジェクトチームを立ち上げたうえで推進を行う、あるいはスコープを狭めて部署内で小さな成功を作ったうえで他部署との連携を行っていくというアプローチで進めると良いでしょう。

CDPを導入するときには、プロジェクトを立ち上げて他部署と協力して役割分担を行い、進捗もプロジェクトの中で確認していくようなプロジェクト型の体制を組み上げるのがおすすめです。

プロジェクトチームは、プロジェクトオーナーやプロジェクトマネージャーがトップに立ち、Biz(業務開発・実行支援)側とDev(製品評価・導入開発)側の2 チームに分かれて実現するケースが多いです。その2チームの中で役割を分け、担当者をそれぞれ配置します。

戦略立案からCDP導入までを社内のプロジェクトチームだけで行うのは、リソースの面でもナレッジの面でも難しいケースが多いので、アウトソース先として目的の整理の部分でコンサルティングファーム、CDPの選定や設計・導入においてシステムベンダー、CDPで統合したデータを活用するためのツールベンダーに相談・協力を依頼することも視野に入れておいた方が良いでしょう。

チーム体制や顧客データ活用のプロジェクトの設計・進め方については、下記の無料資料をご覧ください。大手企業のプロジェクト推進例とあわせて紹介しています。

無料資料:顧客データ活用が進まない6つの原因と解決策のダウンロードはこちら

トレーニングや講習などでフォローアップする

CDPの導入前や導入直後には、メリットや活用方法を理解してもらうために、必要なタイミングで社員研修を行うことも重要です。

CDPは社内の顧客データが統合されているプラットフォームなので、マーケティング部だけでなく、経理や製造管理、経営企画など会社全体で利用するデータを管理できるツールです。

CDP自体の理解はデータ活用の推進を行うチームのみで良いかもしれませんが、BIによる分析ダッシュボードや各種マーケティングツールの利用方法についてフォローアップを行うことで「導入したものの使われない」「特定の部署しか活用していない」といった状況を避け、データ活用を社内文化として根付かせることができます。

CDPは他部署や関連企業と連携しながら導入を進めるため、一度導入すると会社としてなかなか利用を中止できなかったり、ツール自体を変更するのも難しくなります。導入後も活用し続けていくための体制作りが重要です。

なお、CDP活用の体制作りの詳細は、CDP導入における稟議書にも記載することをおすすめします。CDP導入後に適切に活用できるのか疑問を抱く経営層の懸念を解消することに繋がり、承認を得られやすくなります。CDP導入時の稟議書の通し方の詳細は、下記の無料資料をご覧ください。

無料資料:CDP導入における社内稟議の通し方|スムーズに通すためのポイントや記載例のダウンロードはこちら

CDPの選び方のポイント

CDPの導入を考えていく中で「導入するとしたらどのツールが良いのか?」と迷われる方も多いと思います。CDP選定のポイントには以下の5つがあります。

  • 必要な機能が揃っているか
  • コストが適切か
  • ツールと連携しやすいか
  • 誰が使うのか、担当する人が利用できるか
  • サポート体制が整っているか

必要な機能が揃っているか

CDPを導入する際は目的を明確に定め、あるいは段階的なステップを定め、その目的が達成できるツールを選ぶことが大切です。

メール配信やプッシュ通知配信などのツールと異なり、CDPではツールを導入するのみで新しい取り組みができるというものではないため、目的が決まっていない場合は、導入に向けたステップを理解し、検討する必要があります。

特にリアルタイムの施策を実施したい場合、リアルタイム性に強いCDPツールを選ぶ必要があります。

コストが適切か

CDPの導入・運用に要する費用は、月額数十万円程度から、高額なものでは百万円以上とツールにより大きく異なります。その中で、使用する予定のない機能が多く、目的と見合わない高額なCDPを導入してしまっているケースは多いです。

CDPは他部署や関連企業と連携しながら導入を進めるため、一度導入すると会社としてなかなか利用を中止できなかったり、ツール自体を変更するのも難しくなります。CDPは短期的な目線、中長期的な目線の両方を意識して機能とコスト面を比較して検討することが大切です。

ツールと連携しやすいか

CDPは顧客を深く分析した後、マーケティングツールに連携し、施策を実施できることがメリットです。多くのCDPは、CRMやMAツール、LPOツール、レコメンドエンジンなど各種ツールとの連携に対応しています。

ただし、各種マーケティングツールとの連携において、行いたい施策や分析の内容によってあらかじめ提供されている連携方法では実現できない場合もあり、ユースケースを洗い出しておいて判断する必要があります。

特に、自社独自のシステムとの連携や、上記のようなあらかじめ提供されている連携方法で実現できない施策が存在する場合は、一部開発が必要になるケースがあり、ツールの選定時に考慮しておく必要があります。

自社で利用しているツールとスムーズに連携できるかとあわせて、目的に対して当該の連携機能が要件を満たすかどうかを確認しておきましょう。

誰が使うのか、担当する人が利用できるか

CDPツールの中には、SQLを書かないと使えないものがあります。特にセグメントを作成する機能など非エンジニアが利用することを想定される機能については、技術的な分野に詳しくない人も直感的に操作できる機能を提供しているCDPを選定する必要があります。

ただし、ノーコードで操作できる機能というのは、あらかじめノーコードで利用できるようにデータを整形・加工しておくという工程が必要になるため、導入時やデータの追加時にどのような作業が必要になるのか、また自社のデータで本当に実現できるのかという点については確認しておく必要があります。

実際にデモ画面を確認すると同時に、問合せの際に当該機能を利用できる状態にするための前提条件を確認しておくと良いでしょう。

サポート体制が整っているか

CDPは目的によって使い方が大きく異なり、特に導入時の設計が重要です。

実現したいことに対してCDPでどのようにデータを持つべきか、特に基幹システムとのデータ連携など自社のリソースのみでは実施できない開発をどう進めるか、CDP自体の運用をどのように軌道に乗せるかなど、サポートが必要となるシーンが多く存在します。ツールを活用し、きちんと結果に繋がる運用をサポートしてくれる体制が整っているのか確認しておきましょう。

下記の無料資料では、CDPを選ぶ際に理解しておいてほしい、ほかのツールとの違いや各部門でのユースケース・効果などを紹介しています。CDP導入・選定を進める際の参考材料として、ぜひご活用ください。

無料資料:CDP検討マニュアルのダウンロードはこちら

CDP検討マニュアル

CDPの導入フロー

CDPは導入してすぐに施策を行えるわけではなく、データを取り込んで施策に活用できる状態にする必要があります。

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CDP導入後にどのようなプロセスで進めていき、各プロセスで発生するタスクと必要な人的リソースについて説明します。

  1. ビジネス要件を決める
  2. データを収集し、統合する
  3. データを加工し、施策に使えるデータにする
  4. 各種マーケティングツールに連携し、分析や施策に活用する

ステップ1:ビジネス要件を決める

作業 作業の詳細 担当者
ビジネスの目的定義 ・会社として目指す方向の明確化 ・経営層
・事業部担当
ビジネスの目標設定 ・現状の課題の洗い出し
・売上向上・業務効率化の目標策定
・ビジネスの戦略立案
・プランニング
・経営層
・事業部担当

ステップ2:データを収集し、統合する

作業 作業の詳細 担当者
データの要件定義 ・データ活用の方針策定
・保有データの整理
・新たに収集するデータの決定
・データ間のリレーションの確認
・基盤システムとの連携
・マーケティング担当
・ITシステム担当
・事業部担当
プライバシーポリシー・規約の改定 ・取得データの用途検討
・データ利用・取得ポリシーの策定
・法務担当
・マーケティング担当
・事業部担当
データの取得設計 ・I/F仕様確認(既存システム、外部ツールなど)
・データ仕様・取込方法確認(カラム、スキーマなど)
・DB/テーブル格納設計
・データ間のリレーション設計
・PIIデータの加工設計(ハッシュ化、匿名化)
・ITシステム担当
・データ解析担当
・マーケティング担当
データの取得実装・構築 ・タグ・SDK・API実装(Javascript・SDKなど)
・マッピングテーブル構築(別IDとのマッピング)
・ログテーブル構築(アクセスログ・実績ログなど)
・マスタテーブル構築(顧客マスタ・商品マスタなど)
・法務担当
・マーケティング担当
・事業部担当

ステップ3:データを加工し、施策に使えるデータにする

作業 作業の詳細 担当者
データの加工・整形 ・データパイプラインの設計
・データパイプライン構築
・データクレンジング
・名寄せ処理
・SQLなどを用いた加工・整形
・セグメンテーション
・データ解析担当
・ITシステム担当
アウトプット設計 ・外部ツールの連携仕様設計
・データ処理の自動化・高度化
・データ解析担当
・ITシステム担当

ステップ4:各種マーケティングツールに連携し、分析や施策に活用する

作業 作業の詳細 担当者
アウトプット連携 ・広告配信プラットフォーム連携
・自社システム連携(自社メディアレコメンド)
・各種外部ツール連携(CRM・MA・BIなど)
・データ解析担当
・マーケティング担当当
分析・可視化 ・SQL・BIツールなどによる統合データ可視化 ・データ解析担当
・マーケティング担当
施策の設計 ・顧客セグメントの定義
・マーケティング施策立案
・業務高度化の方針立案
・マーケティング担当
・データ解析担当
施策の実行 ・データに基づき適切な施策を実行
・施策の効果検証
・マーケティング担当
・データ解析担当

CDPとBIツールを連携することで可能になる分析・施策の例については、下記の無料資料で紹介しているので、適宜参考資料としてご活用ください。

CDPによる顧客理解と分析

EVERRISEが提供するCDP「INTEGRAL-CORE」

弊社EVERRISEでは、顧客データをノーコードで管理できるCDP「INTEGRAL-CORE」を提供しており、これまでTVerさまやキーコーヒーさま、hoyuさまなどを含め複数社の導入実績がございます。

  • CDP「INTEGRAL-CORE」の特長
    • 顧客に関するあらゆるデータを収集・統合
    • ノーコードでデータ集計やセグメント作成
    • 外部連携機能でBIツール・MA・CRMなどへデータを渡し、マーケティング施策へ活用可能
    • 自社開発システムならではの総合支援体制
    • 専用環境での提供も可能な国産CDP

また、CDPの提供だけでなく、デジタルマーケティング領域における300件以上の開発実績で培ったノウハウから、データ活用基盤構築のためのコンサルティングや自社の基幹システムを含めた各種システムと連携を行うための開発も可能です。

CDP「INTEGRAL-CORE」の機能や特長、ユースケース、実際の画面については、以下の無料資料で詳しく紹介しています。CDPの導入を検討している企業さまはぜひお気軽にご相談ください!

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