DMP活用が危機的なほど進んでない理由、その対策案について
ここ数カ月、インターネット広告専業ではない代理店様に営業する機会が多数あったので、DMP や広告結果データ活用についてヒヤリングしてみました。
特にプライベートDMPのような、クライアントのマーケティング活動に深く切り込まないといけない領域は、総合代理店様がガッツリ握っているだろうと予測の元、その辺の実情を探ってみました。
大体の企業様で「試しにやってみた」「検討している」と言う回答が来ると予想してたのですが、フタを開けてみたら、全然違いました!ほとんどの企業様が「やった方が良いかもね」と言う温度感で「正直、検討すらしてない」のが実情だそうです。たまたま、最初に聞いた数社が例外なのかと思い、十数社に聞いてみたのですが、どこも同じような回答で、DMP構築提案を考えていたので拍子抜けでした。
同時に「なんでだろうか?」という疑問符が付きましたので、「何故導入できないのですか?」「導入しないのですか?」と質問をしてみました。その結果、多数の方が、この課題に関して「フラストレーションを抱えている」ようで、様々な回答をいただけました。
せっかく、熱い想いをいただけたので、本エントリーでは、その結果をまとめてみました。
では、どうぞ。
目次
前提
主なヒヤリング企業様は、中規模総合代理店様です。大規模総合代理店様にはヒヤリング出来ておりません。大規模総合代理店様であれば、結果が随分と変わったかも知れません。
データ活用度についての質問と回答
御社クライアントのデータ活用に対する温度感は?
高い(活用中) | 0% |
---|---|
ある(計画中) | 12.5% |
低い(希望あり) | 37.5% |
ない(希望なし) | 50% |
代理店様自身でのデータ活用の計画は?
実施中 | 0% |
---|---|
予定あり | 12.5% |
希望あり | 87.5% |
なし | 0% |
上記回答について補足
唯一データ活用を計画されていたのは、ECサイトのクライアントを多数抱える代理店様のみでした。基本的には「クライアント業種次第ですが、弊社クライアントからは求められない」といった回答が並びました。
クライアントから求められて無いから「やらないし、検討しない」というのは、営利活動としては自然なことです。…とは言え、これだけDMP、ビッグデータと騒がれる中、代理店様自身の次の展開として、何も検討されてないわけがないと思い、もうちょっと突っ込んで詳細を伺ってみました。
その結果が以下です。
導入が進まない理由
- 投資対効果が不明
- 広告データと社内データで管理部署が違う
- データの大部分がオフライン(紙やExcel、DB化されてない)
- インターネット広告の効果に懐疑的(メジャー媒体の純広告以外は選択外)
- 手間がかかる割に儲からない
- 知識のある担当者の人手が足りない
- 既存データの分析だけでもまだまだやることがある
各社様それぞれ挙げる答えは違っていましたが、大きくまとめてしまえば、上記7つになりました。
その中でも特に、「投資対効果が不明 / 管理部署違い / 人手不足」については、皆さん深刻な問題だと感じてらっしゃいました。
導入するための対策
「投資対効果が不明」への対策
まずは、現状の業種ごとの実績を、DMP各社様が、積極的に公開していって欲しいですね。もちろん、悪い結果であっても。結果の良し悪しは別として、ハッキリ見える化されれば、具体的な「計画フェーズ」には進められる、と言う印象です。
「データの管理部門が違う」への対策
マーケティング部門ではなく、情報システム部門から攻めるべきです。この際に、テクノロジー系の詳細交渉を求められるかと思いますが、その部分はシステムインテグレータと手を組んで攻めましょう。結果、計画の骨子と予算が、組み立てられるはずです。
「知識ある担当者不足」への対策
代理店様も、クライアントも、若手担当者を抜擢すべきです。テクノロジーに強い若い担当者ほど、この課題に対するフラストレーションを抱えており、任せれば、やる気を持って取り組んでくれるはずです。具体的に、プロジェクトが始動出来るはずです。
まとめ
いかがでしょうか?
限られた範囲でのヒヤリング結果を元にまとめた情報なので、間違っているかも知れません。ただし、アドとマーケティングが交わる最重要なデータ活用が、ここまで進んでないのが全体的な事象だとすると、これは危機的な事だと思っています。
ヒヤリングした皆様が言っていた「いずれ変わるかも」。この「いずれ」に、なるべく早く業界的に進めるように、本エントリーが一助になれば幸いです。