2018.03.27

オリジナルの価値ある広告マネタイズ事例をご紹介|Sansan株式会社 『Eight』編

オリジナルの価値ある広告マネタイズ事例をご紹介|Sansan株式会社 『Eight』編

アドテク開発に10年携わってきたEVERRISEとして、メディア・サービス運営者のみなさまにお伝えしたい想いがあります。

『広告配信にもっとこだわりませんか?』

サービスやメディアの多くはSSPなどの広告配信プラットフォームを使って広告マネタイズをしています。、広告枠の場所やサイズ、配信条件などが広告配信プラットフォーム側のルールに縛られがちです。

一方で、アドサーバーを自社で運用して配信をコントロールし、独自の広告メニューとしてメディアのコンテンツ同様にこだわりを持ってマネタイズに成功されている企業さまもいくつもあります。

アドテクブログではそんな独自の価値で広告マネタイズに成功されているサービスをご紹介していこうと思います。

記念すべき1回目はSansan株式会社Eight事業部の安藤さまにお話を伺いました。

interview eight 01

Eightは媒体の特性とデータを活用して、BtoB向けの広告メニューを運営されています。これを読めばEightの広告が売れる理由に納得です!

Eightについて

interview eight 02

ーサービス概要の説明をお願いします。

Eightは200万人が使うビジネスネットワークサービスとして展開しています。すべてのユーザーが自身の名刺を登録しているため、確かな情報に基づいたネットワークになっています。

リリースから5年間くらいは名刺管理の機能をメインにサービスを提供していましたが、企画当初から個人の名刺管理からソーシャルに広がっていくような世界観を目指しておりました。

名刺管理のサービスとしてある程度確立できたので、2年ほど前からそれまでのEightの世界観と適合する形でソーシャル機能の拡充を進めており、Eightのユーザー同士がネット上で名刺を交換できたり、紙で名刺交換した人と繋がれたり、プロフィールを詳しく記載できたり、情報を発信できたり、相手の情報を見ることができるニュースフィードがあったりといったビジネスネットワークとして進化してきました。

ーどんなユーザーが多いですか?

ユーザーの属性としては、半分は役職付きのユーザーです。営業の方も多いですが、サービスの進化に伴い企画・マーケティング職やエンジニア職のユーザーも増えてきた印象です。

年齢で見ると、意外と思われるかもしれませんが、30代40代が比較的多く、名刺が貯まってきて、これまで構築してきた人脈を仕事に活用していくフェーズの方であると思われます。 全体を通して、幅広いユーザーにご利用いただいてはいますが、意思決定者の方やチームの中核になるような層がメインユーザーなのかなと思っています。

ー他にも特徴はありますか?

もう1つの特徴としてビジネスの時間帯に使われていることがデータから明確にわかっています。仕事が始まってからアクセス数がのび、お昼休みに一度落ち着いて、また午後のびて終業時間までは保たれています。まさにビジネスに意識が向いている時に利用されるというのもEightのユニークポイントの1つかなと思います。

ユースケースとして、ご自身のビジネスの近況や、人材募集、課題相談などの投稿が多く、ビジネスSNSの使い方がきちんと根付いてきており、通常のSNSとは違う価値を感じていただいているのだと思います。

Eightの広告メニューの特徴

ー広告メニューの紹介をお願いします。

現状メインで展開しているメニューは、Eightのフィード面に表示される、バナー・ディスプレイ広告です。基本的にはBtoBの広告主さまのみに提供をしています。

フィードの利用がある程度根付いて来たビジネスパーソンにリーチできるという事を付加価値として、広告枠を設置しました。オールリーチですべてのユーザーに届く、クリックしたらクライアントサイトに飛ぶという形でしたが、しばらくやってみたらなかなか効果が高く、平均CTR1.79%、高い案件だと4~5%という数字が出ていました。CVRもなかなか良く、最終的にCPAで見ても結構良いぞ、と。

サービスの性質として前述した、ビジネスに意識が向いているタイミングでリーチできる事、ビジネスの近況報告や課題相談が多くBtoBの広告が馴染むという要素が効いて、ユーザーから高い反応を得られたものと思われます。もともと想定していたビジネスパーソンにリーチすることでのブランディング効果だけでなく、リード獲得などのニーズにもお応えできるようになりました。

ー単価はどれくらいですか?

単価としては結構高くて、最低価格CPM4,000円なんです。結構他には見ない値段だと思います。さらにオプションを付けるともう少し高くなりますが安定的に販売することができています。

ー高くても使われる理由はなんだと思いますか?

2017年02月にリリースした新商品が2つあります。

1つ目は「ターゲティング」です。名刺データを使って、部署・役職や勤務地がとれます。アクセスしている場所ではなく勤務地で取れるのもユニークな情報です。また、名刺から取得したデータと、帝国データバンクのデータとマッチングして事業規模や従業員数、業種などでもセグメントできるようになっています。

マーケティングの意図に沿えるメニューであり、多くのお客さまがターゲティングを利用されています。他ではできないターゲティングであり、この層にリーチできるならば!と言った理由で使っていただけることが多いですね。

2つ目は現在売れ筋となっている、「リードジェネレーションオプション」というものを展開しています。

エントリーフォームって入力面倒じゃないですか?離脱率もかなり高く、場合によっては8割位落ちるということですが、エントリーフォームで取りたい情報は主にはコンタクトの情報で、名刺に書かれており、我々のデータベースでに格納されています。なので、Eightのプロフィール情報を連携することで、コンバージョン時のユーザーの手間を省き、CVRをあげようというコンセプトで企画した商品です。

例えばユーザーが広告経由でLPに飛び、資料請求のアクションボタンを押した時にユーザーに「Eightのプロフィール情報を連携しますか?」というパーミッションが表示されます。パーミッションに同意するとそれでコンバージョン完了となり、ユーザーには資料が、広告主さまにはユーザーの名刺情報が送信されます。

interview eight 03

単純にCPAが安くなるというメリットもありますし、直接的にCVRをあげられるので、KPIに合いづらいターゲット層を諦めなくて良いといった点が広告主さまに対してお返しできる本質的な価値なのではと思っています。

今はこの商品が主力ですが、コンバージョンまでのハードルが低く、モチベーションが低いユーザーも獲得してしまうため、事業上重要なターゲットだけどモチベーションが低い層をいかにナーチャリングしていくかという点が今後の課題だと捉えています。 その点はMAツールとの連携など、外部の事業者さまとの連携も考えながらアプローチしていきたいなと思っています。

ー他にこだわっているポイントはありますか?

広告として単純にマネタイズの手段としてやるというよりは広告主さまに対しては有効なマーケティングソリューションとして、ユーザーに対しては情報収集の一環として価値を発揮していきたいという思いがあります。ちゃんと価値のあるコンテンツとして出せないと意味がないと思っているので、基本的t根際にはBtoBの商材しか受け入れておらず、クリエイティブの表現にもなどについても推奨している基準があります。

まだ未完成ではありますが、今後は興味関心データを取ることができればそれを使いながら本当にユーザーにマッチしたものだけを出すというところをやっていきたいです。

他の特徴として、配信レポートがあります。年齢、部署、役職、業種などのセグメントごとに広告への反応率を出しており、Eightでの施策のみならず、今後どういった層を狙っていくか、どんな訴求をしていくべきかなどを検討できるインサイトをして納品しています。

ー自社でオリジナル広告メニューを導入する前に他の広告手法でマネタイズは検討されましたか?

ユーザーに価値がある広告が出るかというところが1番の懸念だったので、でコントロールできる事が必須条件でした。そうなってくるとSSPやアドネットワークは選択肢から外れたといった感じです。 今も100%手売りで、余り在庫を流すということはやっていません。

ーこれからのメディアの広告配信について何か思うことはありますか?

メディアにとってただのマネタイズ施策であったり、広告主にとってコンバージョンを取るためだけの施策であったりというよりは、ステークホルダー全員に価値があるマーケティングソリューションになると良いなと思っています。

課題の1つに一般的な料金モデルがあると思っていて、基本的に配信量・獲得量がKPIやお金になる構造になっているので、例えばBtoBでは実際に広告主のビジネスをドライブするためには特定のターゲットと密なコミュニケーションをとる事が重要な場合にも、広告主側の数値目標やメディア側の経済条件に合わないため、不本意ながらターゲットを広げざるを得ない、という話をよく聞きます。

特定のターゲットと密なコミュニケーションをとる事でビジネスがドライブされる事を証明できればメディアは無理にターゲットを広げなくても十分に事業が成り立つようなマネタイズモデルが成立し、広告主も重要なターゲット層にもっとリソースを集中できて本質的な戦略推進ができるのではないかと考えています。

また、関係の薄いユーザーは本来ターゲットになりえないので、ユーザーからしても情報価値の低い広告が減り、広告を有用な情報としていく事もできると思っています。

上記の仮説を1つ1つ検証していき、Eight Adsをマーケティングソリューションとして確立するというのが、今我々が掲げているビジョンですね。

Eight広告メニューのポイント

媒体の特徴

  • ユーザー全員が名刺を登録しているため確かな情報に基づいたネットワーク
  • ビジネスの目的で利用しているユーザーがほとんど
  • 利用されている時間帯もビジネスのコアタイム

広告メニューの特徴

  • 名刺の情報に基づいた詳細なターゲティングが可能
  • ビジネスの目的でユーザーが利用しているので広告も有益な情報であれば受け入れられやすい
  • ビジネスのPDCAを回すのに役立つレポートを提供している→独自データによる正確なターゲティングと価値あるレポートで広告単価UP

まとめ

Eightは名刺アプリだからこその、正確なデータを活かして届けたい相手に届けることのできる広告を実現しています。正直、CPMを聞いたときには値段に驚きましたが、お話を伺っているうちにそれだけの価値がある広告であることがわかりました。

売れる広告の数にこだわるのではなく、広告であってもユーザーに必要とされる情報を選択して、広告主が出稿する価値があると思えるターゲティングやレポートを提供していった結果、他のメディア、サービスに比べて広告単価が上がり、マネタイズに成功されている素晴らしい事例です。

安藤さまのお話からは、サービスへのこだわりと広告主もユーザーもお客さまとして大切にされているのが伝わってきました。

貴重なお話ありがとうございました!

Sansan株式会社

プライベートアドサーバーという選択肢

Sansanさまのように、独自の広告メニューを検討する時、配信エンジンにプライベートアドサーバーをご提案しています。

弊社のADmiralはメディアが独自に保有し、独自のデータで、自由な広告配信を可能にするというコンセプトで生まれたプライベートアドサーバーです。媒体に合った広告メニューを導入することで、媒体価値の向上をお手伝いします。

ソースコードの販売なので、カスタマイズ・他システムとの連携も自由です。

メディアの成長とともに広告配信について考える時、1つの選択肢として考えていただけたら幸いです。

お気軽にご相談ください!

interview eight 04

■公式サイト

https://www.ever-rise.co.jp/admiral/

■プレスリリース情報

プライベートアドサーバー「ADmiral(アドミラル)」、どこどこJPへの接続開始で企業情報をレポート掲載可能に

プライベートアドサーバー「ADmiral(アドミラル)」、IM-DMPとの接続開始

プライベートアドサーバー「ADmiral(アドミラル)」、INTEGRAL-COREと接続

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