2014.08.18

アドネットワークの作り方

アドネットワークの作り方

いままで技術と離れた話が多かったので、本記事では、ガチのシステム構築ネタを紹介します。今さら一から独自のアドネットワークを作る人も、そう多くないですが、どのようにして構築するかのナレッジを公開します。

アドネットワーク構築のできるアドサーバーの提供を開始しました -2017.05.19追記-

本エントリーは2014年に公開した記事ですが、この度、アドサーバーのソースコードライセンス販売を開始しました。すぐにアドネットワークの運用を開始いただける機能が揃っております。

以下にてご紹介している、「アドサーバーを用意する」際にはぜひ、弊社のアドサーバー『ADmiral(アドミラル)』もご検討いただければ幸いです。

アドサーバー『ADmiral(アドミラル)』

adnetwork production 01

サービスサイトURL:https://www.ever-rise.co.jp/admiral/

もちろんクラウドサービスを利用したり、オープンソースのものを利用する方法もございます。 それでは本エントリーの続きをご覧ください。

アドサーバを用意する

大きく、選択肢が3つほどあります。

クラウドサービスを利用する

先日のエントリーでご紹介しましたが、DFP(アドサーバ)を利用する方法がもっとも簡単です。他にも、OEM提供しているアドサーバがあるので、実現したい要件に合わせて検討してみましょう。

オープンソースを利用する

オープンソースと言いますが、代表的なものは「OpenX」のみです。現在活躍されている配信業者の中には、このOpenXをベースにしているところも多いかと思います。

一から自作する

現在は、クラウドサーバや大量処理系のクラウドサービスなどが、格安で充実しているので、それらを活用して自作するのも1つの手です。思っている以上に簡単に構築することができます。そして、独自要件を満たすためには、自作するしかないでしょう。

独自の配信タグ・SDKを用意する

広告を、webサイトやアプリに配信するためには、表出するための「広告枠」が必要です。その枠を実現するのが、配信タグであり、配信用SDKです。

JS、iframeタグを用意する

webサイト(アプリ内ブラウザ)向けには、JS と iframe で作られたタグを用意します。

すでに10年程度の歴史を持つアドタグですが、古いブラウザへの対応、スマートフォンブラウザのアニメーション対応など、いまだに気を付ける点が多いです。開発のコツとしては「100%表示にこだわらない」「配信事故時に媒体に迷惑をかけない」ことに注意することです。

iOS、Android用のSDKを用意する

ネイティブアプリへ広告を配信する場合に SDK が必要です。

SDKを構築するときのコツとしては「いかに組み込みやすくするか」です。また、SDK再配布を極力抑えるために工夫することも求められます。

【メモ書き】独自ネットワークで、もっとも重要な要素?

媒体側へ「広告収益を多く戻す」ためには、収益性を高めるしかありません。そのためには、独自クリエイティブで勝負するのがもっとも効果的かと思います。

現在ですと、ターゲティングバナー広告、ネイティブ広告、動画広告、アイコン広告あたりが、その候補になります。そして、次から次へと新しい広告フォーマットへ対応する必要があるでしょう。

管理画面を用意する

広告配信サーバと広告枠用タグさえあれば、広告配信は可能です。ただし、その設定や結果数値の確認など、専用の管理画面がないといけません。

配信設定画面

予算、配信単価、ターゲティング、広告素材、クリック後到達先URLなどの設定を行う画面です。一括設定や単価変更が容易にできるなど、差別化の効果が大きいところです。

配信結果画面

実際に配信した結果を確認する画面です。アドネットワークに最低限必要な表示項目はそこまで多くないので、それらの項目、さまざまな軸で早く見やすく表示するかが重要になります。

各種マスタ系管理画面

配信設定、配信結果画面に付随する各種マスタ系の画面が必要です。媒体管理、クライアント管理、アカウント管理あたりが代表的なマスタ管理機能です。

【メモ書き】管理画面は無しでOK?

本当に最小構成で対応したい場合は、管理画面を作らず、データベースやサーバのディレクトリを直接触ってしまう方法もあります。運用するのが技術者で、成長に合わせてガンガン作り変える前提であるならば「あえて作らない」のも1つの選択肢です。

必要なバッチ機能を用意する

配信した結果数値を表示するためには、配信結果ログから見やすい形に加工(集計)する必要があります。また、配信した結果から次の配信を最適化するために、各種計算が行われます。これらを実施するのがバッチ処理です。

配信結果集計バッチ

Imp、Click、Conversion といった基本的な数値もそうですが、Cost、間接効果、ROI といった各種数値も集計します。この際、ログから不正を排除したり、重複を排除したりもします。

配信効果改善バッチ

予算コントロールや、ターゲティング用メモリDBの更新などを行います。

可能な限りリアルタイムに近い形で実現したいバッチです。

自動学習による最適化、パーソナライズ化が求められており、もっとも差別化されやすい部分です。

【メモ書き】集計はクラウドサービスを利用する

「バッチ処理」と書きましたが、配信した結果の生ログを加工して、各種集計用クラウドサービスにデータを突っ込んでしまうのもアリです。その後のほとんどの処理は、専用クエリ(ほぼ標準SQL)のみで実現できます。

まとめ

アドネットワークを構築するうえで必要な要素を、簡単にあげてみましたがいかがでしょうか?

詳細に見れば、まだまだ必要な機能(掲載可否、リタゲ用や計測用タグ発行)はあるのですが、ざっくりとはこんな感じです。最近注目されているDSP、SSPもここをベースにさらに発展(機能追加でOK)したものです。

弊社では、上記したようなナレッジが豊富にございます。もし構築を検討したい場合は、ご相談いただければ、いつでもお伺いいたします!

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