アドテク

オンライン広告の個人情報問題に対する提案

by EVERRISE DXブログ編集部

こんにちは、伊藤です。久しぶりのBlog更新です。

オンライン広告のターゲティングに利用される個人情報が「プライバシー保護」という観点で色々と騒がしい感じになっていますね。詳しくは以下の記事を見てもらえれば、分かりやすいかと思います。

パーソナルデータをめぐる状況:ネットマーケティングとコミュニケーションの最前線を探る実践Webマガジン MarkeZine(マーケジン)
パーソナルデータで広告界の地殻変動は起きるか?ーー西内啓×田中幸弘×山本一郎ビッグデータを語り倒すの巻(3) | AdverTimes(アドタイ)

この議論ですが、問題提起側とサービス提供側で、いまいち歩み寄りがのろい気がします。サービス提供側は、紋切り型な答えばかりだし、問題提起側は、答えの無い抽象論でPVを稼いでるだけだし、これでは前に進まんわなぁと言う印象です。

そこで、この議論を半歩でも前に進めるために、私なりに問題と対策をまとめてみました。

1.ターゲティングデータを扱う企業は資格を取る

まず、大前提として、ターゲティングデータを持つ企業は、プライバシーマーク取得を義務付ければ良いと思います。オンライン広告業界だけで「個人情報とはなんぞや?どうやって守るの?」を議論する前に、既存の仕組みを最大限利用させるべきです。

名前、住所、メールアドレスなどの分かりやすい個人情報がないからと言って、個人を一意に識別するキーデータがある場合にこそ、徹底すべきです。個人情報じゃないと思って、自由にデータをやりとりした結果、「やっぱり個人情報でした」では済まされません。

2.責任主体は広告主と媒体にあると認識する

この問題で多い勘違いが「配信業者が悪である」という認識です。無節操にターゲティング配信を仲介する業者にも問題はありますが、本来であれば「データ取得元(媒体や広告主)」と「利用元(広告主)」が責任をもって対応する事項です。責任主体は、取得元と利用元にあります。

どのように利用すべきか?表示すべきか?は、媒体と広告主の責任ですし、それを配信業者にも求めていくべきでしょう。ここを履き違えて議論しても、何も変わりません。責任主体が意志を持って変えれば、配信業者も変わるはずです。

3.「オプトインか?オプトアウトか?」の問題ではない

「利用目的を明示して許可をもらうオプトインなら良いのでは?」
「オプトアウトしやすければ良いのでは?」

と言う議論をみかけますが、これは非常にナンセンスです。

サイト接触履歴だけで考えてみても、「許可の有無」にかかわらず、広告配信業者が個人サイト閲覧履歴を自由に利用できる状態が、正しいとは思えません。仮に明示的に「許可」してくれた利用者であっても、本当にこの仕組みを理解しているのか怪しいところです(技術者以外で、正確に理解できる人がいるのか・・・)。取得したデータを利用する際に「取得元はどこか?」「どのように取得したか?」「取得データを削除依頼できるか?」などを、わかり易く明示すべきです。

ターゲティングする側の責任として、AdChoicesような仕組みを導入しましょう(AdChoicesとはなにかを勉強してみる | 株式会社スケールアウト
【追記】参考ページは現在削除されています

4.データ取得の目的をもっとわかり易く明示すべき

本来、個人情報というのは「目的を決めて収集する」必要があります。仮に媒体サイトや広告主サイトに、「広告の効果を最適化するためにデータを利用します」「第三者にデータを提供します」と目的を明記してあったとしても、その結果、個人を追跡するような広告が出てしまうのは「目的の明示不足」でしょう。正確には、「集めたデータによって、サイトを跨いで広告を追跡表示します」と書くべきです。そして、新しい仕組みが生まれるたびに、どのように使われるのかを、利用者に正確に明示していくべきでしょう。

「利用者にもメリットがある」「説明してたらキリがない」などの理由で、許可なく何でも実施して良い訳ではありません。

5.対個人別最適化と大量データは分けて考えるべき

「あらゆるデータを集めておいて、その中から宝となるアプローチを見つけた」
「あるデータとあるデータを掛け合わせたら、劇的に効果が上がった」

上記は、ビックデータ系の話題で、よく目にする謳い文句ですが、この話はもうちょっと整理すべきです。

  • そもそも大量データを使って分析する必要があるのか?少量データで仮説検証できないのか?
  • 大量データよりも「対個人別に最適なフィードバック」をしたいだけではないか?

ここの整理がつけば、不要な個人情報を持つ必要がなくなります。サイト接触情報ですら、無用な情報を多く集めてしまっているはずです。「とりあえず、データは集めておけ」と言う盲目的なアプローチは避けましょう。

まとめ

個人情報保護の活動は、IT業界ではごくごくなじみ深いものです。オンライン広告業界にも、ようやくその波が来たという事でしょう。

今後、個人を特定したに近しいターゲティング広告に携わる人間であるならば、等しく個人情報保護の考え方を学んだ方が良いでしょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事を書いた人:EVERRISE DXブログ編集部

「攻めのDX」をサポートする株式会社EVERRISEのブログです。