2020.09.08

セプテーニ・オリジナルが挑戦する広告へのAI活用|広告システム開発事例

セプテーニ・オリジナルが挑戦する広告へのAI活用|広告システム開発事例
業種 システム開発業界
導入サービス 広告システム開発

株式会社セプテーニ・オリジナル(現:株式会社FLINTERS、以下セプテーニ・オリジナル)さまへは、2018年から3名のメンバーがEVERRISEより参画。AI(機械学習)を活用し、webやアプリ内のデータをもとに、ユーザーのさまざまなアクションの予測モデルを構築、効果的な広告運用を支援するツール「Precog(プリコグ)」の開発や、インターネット広告の配信実績データ運用に携わっています。

2010年から続くセプテーニグループへの開発支援で積み上げたEVERRISEへの信頼感、これからの事業についての展望について、開発部シニアマネージャー・関航一郎さんにお話いただきました。

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株式会社セプテーニ・オリジナルについて

時代の変化に先駆けて新しいビジネスに挑戦することで成長してきたセプテーニグループは、現在国内トップクラスのデジタルマーケティング事業のほか、マンガコンテンツ事業を中心としたメディアプラットフォーム事業を展開。また、今後の発展に向けた新規事業開発にも積極的に行っている。

2014年1月に株式会社セプテーニの開発部門を分社化して設立した株式会社セプテーニ・オリジナルは、「セプテーニグループの事業を技術で成功に導くスペシャリスト集団」として
各領域でのツールやプロダクト開発を担う。

デジタルマーケティング事業、メディアプラットフォーム事業のプロダクト開発を担う

―― まずセプテーニグループさまの事業展開について、教えてください。

グループの主軸事業は大きく2つあります。

1つはデジタルマーケティング事業です。元々はネット広告代理事業からスタートしましたが、現在は広告運用だけでなく、1st Party Dataの活用など幅広いDX支援・マーケティング支援も行っています。

もう1つがメディアプラットフォーム事業です。具体的なサービスとしては、コミックスマート株式会社が運営する漫画アプリ「GANMA!(ガンマ)」や、gooddo株式会社が運営している社会貢献プラットフォーム「gooddo(グッドゥ)」などを展開しています。

また、そのほか、新規事業の開発にも注力しています。

―― 幅広く事業を手掛けるグループの中で、セプテーニ・オリジナルさまの役割はどういったものでしょうか?

ベトナムにあるセプテーニ・テクノロジーとともに、主に主軸事業に関するツールやプロダクトの開発を行っています。従業員数は2社あわせて180人ほどですね。

デジタルマーケティング事業においては、セプテーニグループ内の広告プロダクト開発で培ったノウハウをもとに、広告クリエイティブデータ収集やレポーティングを自動化する「Creative Rally」を始めとするセプテーニ・オリジナル独自の広告プロダクト開発も開始しました。

AIを活用した「Precog」「Odd-AI」の開発

―― EVERRISEも支援させていただいているAIを活用したソリューションツールについて伺えますでしょうか?

より効果的な広告運用の実現を目指しAIやデータの活用を推進するためセプテーニグループのSepteni Japanにて約3年前に「AI推進室」が立ち上がりました。また同時期にセプテーニ ・オリジナルでもAIチームが設立されました。

AI推進室と連携し開発したツールが「Precog」と「Odd-AI」です。

「Precog」はweb上やアプリ内のデータをもとにユーザーのさまざまなアクションの予測モデルを構築するとともに、その傾向をインサイトとして可視化するツールです。「Precog」で得た情報を主要広告媒体と連携し、各ユーザーに合わせたアプローチをすることで、マーケティング施策の効果の最適化を図ることができます。

また、もう1つの「Odd-AI(オッドアイ)」は、これまでの運用型広告の配信実績をもとに、ディープラーニングを活用し広告クリエイティブのソリューションを提供するツールです。東京大学の研究室と共同研究のもと開発しています。

―― EVERRISEからの参画メンバーが現在担当している業務について教えてください。

「Precog」では、予測モデルを作成するうえで必要となる学習データの整形や予測部分のワークフロー化など、機械学習の前処理や後処理といった実際に運用するうえで必要な開発をお任せしています。また最近は機械学習を挟まず、お客さまの1st Party Dataとセプテーニが保有するデータを連携し、データの可視化や各種マーケティング施策に活用するようなパターンもあるので、それに関連する開発もお願いしています。

「Precog」以外でも、セプテーニの持つデータベースの保守運用と周辺開発もお任せしています。また、GoogleやFacebookなど各種媒体で配信した広告の実績をお客さまにレポートとして提出させていただく際、それぞれのニーズに沿った形式にデータをカスタマイズする必要があり、そのための開発をお願いしています。そのほか、「Precog」で予測モデルを作るうえで必要となるログデータなどを収集するツールも開発してくれています。

柔軟な対応力を持ったEVERRISEへの信頼感

―― 開発支援を通じてのEVERRISEへの評価をいただければと思います。

EVERRISEさんには2010年から内部向けの開発支援などで入っていただいているため、信頼感がありました。また、元来EVERRISEさんはアドテクへの理解が深いと思っているので、そこへの期待もあり、依頼しました。

参画いただくみなさんは柔軟性が高く、業務についての飲み込みも早いため、スムーズに習熟、対応していただいています。「Precog」のようなデータ×AIソリューション、あるいは機械学習の前処理についての技術者は、ますます需要が増加してきています。特にリソースを増やすと出力が増えるモデルになっている機械学習関連の開発は、EVERRISEさんの参画によって順調に進められたと感じています。

またEVERRISEさんには、フロー化した業務を漏れなく忠実に実行していただけて非常に助かっています。正社員、業務委託の立場に関係なく、障害が発生すれば主体的に社内メンバーと共有、やりとりするなど、当事者意識も持ってやっていただいていると感じます。

武器を組み合わせ、顧客それぞれに合った質の高い提案を

―― AI活用に積極的に取り組まれていますが、今後の展望はありますか?

最初は武器になるAIソリューションを作ることを目的として取り組んでいました。ですがAIは目的ではなく手段。これからは「AI活用を推進していきたい」というよりは、それも含めて幅広いマーケティング支援をやっていきたいと思っています。

デジタルマーケティング企業としてはお客さまにいかに質の高い提案をしていけるかが重要になります。「Precog」のようなツールを複数作り、組み合わせ、お客さまそれぞれに対しより良いマーケティング施策を提供できるよう目指しています。

―― そのような提案について、顧客からのニーズは感じられていますか?

はい、感じています。「Precog」に興味を持ってくださる企業さまも増えていますし、2020年現在、セプテーニ・オリジナルでデジタルマーケティング事業に関わる技術者の約7割が、データ基盤およびAI領域に携わるようになっています。

―― 今後、EVERRISEに期待されることがあれば教えてください。

これからさらにユニークなソリューション提案に力を入れていくためにも、お客さまへの対応力(コミュニケーション力)、データエンジニアリング、機械学習周りの基礎知識が重要になると感じています。またこの領域では、要件も最初は決まっておらず、お客さまと日々コミュニケーションをとりながら変わっていくものなので、スピーディな対応も求められます。柔軟性を持ったEVERRISEさんのメンバーに、今後もぜひ協力していただければと思っています。

―― ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします!

お客さま情報

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企業名 株式会社セプテーニ・オリジナル(現:株式会社FLINTERS)
webサイト https://www.flinters.co.jp/

※本記事は、2020年9月時点の情報です。

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