連載2回目となる『オリジナルの価値ある広告マネタイズ事例をご紹介!』は、株式会社JUBILEE WORKSの亀山さま、香川さま、吉本さまにお話を伺いました。
それぞれ開発、営業、企画・マーケティングを担当されている方々なので、多方面からお話をしていただき、個人的にもTimeTreeユーザーなのでとても興味深いお話でした! そして、また1つ魅力的な広告を知ることができました。
TimeTreeについて
ーサービス概要の説明をお願いします
TimeTreeは1つのカレンダーを複数人で共有して見ることのできるwebサービス・スマートフォンアプリです。1ユーザーがカレンダーを複数作ることができるので、コミュニティごとにカレンダーを分けて持つことができます。 カレンダーごとに表示名も変えられます。
ー開発のきっかけはなんですか?
予定管理はこれまで自分の手帳に書くものでしたが、『予定』は自分だけのプライベートな作業ではなくて相手がいるものなので、予定管理がなぜ自分のプライベートな作業で収まっているのか?という疑問からスタートしました。
相手がいるならば、本来予定は共有すべきものなのではないか、ということでTimeTreeを開発しました。『予定を自分はメモしているけど相手もちゃんと覚えているかな?』『約束の場所にちゃんと来てくれるかな?』というところから予定管理の新しい概念を作っていきたいと考えています。
ーユーザーに特徴はありますか?
今一番使われているのは若いご夫婦ですね。 『旦那さんが週末ちゃんと空いている?』とか、『ゴルフの予定を伝え忘れた!』とか、そういった家族のすれ違いを解決しています。25~40歳位までのユーザーが多いかなと思います。
ービジネス利用が多いかと思っていたのでとても意外です! 会社だとすでにほかのサービスを使われていることも多いので、意外と家族での利用が多いです。 当たり前のようにITツールを使える人や、さまざまなサービスを駆使して予定管理がすでにできている人もいると思うのですが、ITリテラシーが高くない方にも予定を共有したいというニーズはあるので、そういった方々から反響をいただけているのかなと思います。
想定するメインの使われ方は、家族で予定を共有する部分が大きいのですが、それ以外にもそれぞれの使い方をしていただいています。
1つのカレンダーをヘビーに使っている人もいれば、コニュニティごとに使い分けている方もいて、趣味で繋がっているようなそこまで親密ではない人ともお互いにさまざまな予定を共有し合ったりという使い方もあります。
使い方は人それぞれなので、生活に合わせたスタイルでご利用いただいています。
TimeTreeの広告メニューの特徴
ー広告メニューの紹介をお願いします
TimeTreeではマンスリーという一覧性が確保できるところであったり、新着情報を確認できるフィードという画面があります。 そのフィードにインフィード広告を掲載しています。クリエイティブはネイティブ広告で、サイズはいくつかあります。
思いとしては、ユーザーにもちゃんとした情報として広告コンテンツを見せたいと思っているので、ユーザーにとって本来アプリ上でやりたいことを阻害して邪魔するような広告にはしたくないと思っています。
ーTimeTreeの広告枠ならではの特徴はありますか?
ターゲティングに特徴をもたせています。
カレンダーアプリなのでユーザーの行動がわかるようになっていることから、予定の情報を解析して、『育児』とか『レジャー』とか『映画』のようにある程度予定のジャンルを分けて、その予定に対してターゲティングした広告配信ができるようになっています。
例えば、子供の運動会があったら『カメラを買う』という行動があると思いますが、それはその人の興味関心とは別軸だったりするんですよね。 『好きだから買う』のではなく、『必要だから買う』という行動を取ります。
もう1つ例を挙げると、車好きな人だったら、ベンツが好きだから買うっていうことももちろんあるとは思うのですが、単純に車が好きで、フェラーリが好き=買うとはならない場合が多々あると思います。興味関心があるから購買に繋がるとは限らず、なにかアクションを起こす時に購買も発生するので、そういった視点を軸にしてターゲティングを作っているのがTimeTreeの広告の特徴としては一番大きいです。
予定ターゲティングはカレンダーサービスならではかなと思います。
旧来のメディアは一か月前とか、過去の傾向から今をターゲティングするものが多いと思いますが、TimeTreeはカレンダーなので、未来の予定に対してターゲティングできるというのが何よりも1番の強みです。
予定ターゲティングの他にも、年代・性別・既婚未婚・子供ありなし、あとはカレンダーの利用用途に基づくターゲティングもできます。
ー最低単価はどれくらいでしょうか?
現在はベータ版でいくつかの企業さまにお使いいただいていて、7月から正式に販売を開始する予定なのですが、最低単価はビューアブルインプレッションのみの販売を想定していて、2円/imp~の予定で、imp保証です。
ーTimeTreeの広告はどのような業種と相性が良いですか?
現在は家族向けのアプリを提供されているクライアントさまであったり、イベント系であったり、web系のクライアントさまにご利用いただいています。
メインのターゲットとしては、家族で使われるユーザーが多いですし、20代後半からの方が比較的多いので、そういったユーザー層に合ったクライアントさまを想定しています。SNSも人との繋がりが強い媒体ですが、TimeTreeは家族で使われているという点で、さらに特定の繋がりの強い媒体です。
今まではお母さん1人が広告を見て、『ここに子供を連れていきたい』と思ったとしてもそれは完全にお母さん1人の体験に過ぎませんでした。でも、TimeTreeでは同じ広告をお父さんも見ていてそれを共有できる状況を生み出すことができます。完全に個人に対してのアプローチではなく、コミュニティに対してのアプローチができるクライアントさまだとすごく相性がいいと思います。
商材の相性でいうと、TimeTreeは日常生活の家族のスケジュール管理という側面で使われることが多いのでそのコンテキストに合ったものを出していただくのが1番相性が良いのではないかと思います。 例えば家の中にあるものとか、家族で使うものとか、消費財だったり、インテリアや家具というのも相性がいいジャンルの1つです。
『とにかくたくさんの人にアプローチがしたい』という要望をお持ちのクライアントさまももちろんいらっしゃいます。しかし、それが果たして本当にTimeTreeと相性が良いのかとか、ユーザーが求めているものなのか、というところもきちんと精査する必要があります。そうしなければ、クライアントさまへの結果や満足度も担保できないですし、ユーザーにも不快に思われてしまう可能性があります。そうならないために、きちんとクライアントさまのターゲットとされるユーザー層と達成されたい目的をヒアリングしたうえでそれがTimeTreeのユーザーと親和性が高いのかを検討したうえでご提案させていただいています。
ー広告配信周りの開発をするにあたって技術的にこだわっているポイントはありますか?
ユーザー側の機能の面で言うと、TimeTreeでは予定に対して『イイネ』ができるのですが、広告に対しても『イイネ』ができます。逆に、非表示にしたい広告も自分で設定できるようにすることで広告自体の質の向上と、ユーザー体験を阻害しない工夫をしています。
配信の面では、未来にターゲティングできる広告を考えた時に、登録している予定のジャンルや、どういうコミュニティに所属しているのか、予定の重要度はどうなのか、などの情報を最大限に活用した広告配信を実現するために、ユーザーをきちんと識別してTimeTreeと広告配信がちゃんと連携できるのかといったところに力を入れて開発しています。
ー自社でオリジナル広告メニューを導入する前にほかの広告手法でマネタイズは検討されましたか?
初期段階で検討はしましたが、ネットワークに入るということはある程度広告の面としての価値を捨ててしまうということとイコールかなと思っていて、さらに、結果としてオーディエンスのターゲティングだけに価値を置くということになってしまうと考えています。
TimeTreeというメディアとしての価値をちゃんとクライアントさまに理解してもらいたいという思いがあって、自社で広告プロダクトを持ちたいと考えたので、ネットワークを使う選択はしませんでした。
ビューアビリティだったり、ユーザーの邪魔をしていないところだったり、面としてきちんとしているところを評価してもらいたかったので、そういったことを納得したうえで使ってもらえるクライアントさまに販売したいと思ったからです。
最近ではアドフラウドが話題になっていて、アドネットワークやSSPも日進月歩で日々良くなっているとは思うのですが、それでもまだそれらをすり抜けてしまう不適切な広告もあるので、ユーザーに気持ちよく使ってもらうためには、自分たちのコントロールできない部分で事故だったり意図しないことが起きるのは避けたいなと思いました。
ただ、媒体の規模もそれぞれですし、ネットワークの努力も尋常じゃないでしょうし、それに助けられているメディアがたくさんあるのも事実だとは思っています。
これからの広告配信について
ーこれからの広告配信とメディアについて思うことがあれば教えてください。
ー吉本さま
広告主側のリテラシーが上がっていくのが一番いいことかなと思います。アドフラウドの問題だったり、ビューアビリティだったり、まだ解決できてない問題がたくさんありますが、そういったことへ広告主側の理解が追いついて、『ちゃんとした面に出したい』と思ってもらえること、媒体側としては出せる状態が作れることが理想だなと思います。
また、大企業になると上層部にレポートを出すために、どうしても表面上の数値を追いがちなのでそういう組織的な問題も解決して、もっと広告の本質的な部分を理解して出稿してもらえるような世の中になっていくと良いですね。 つまり、マーケティング分野全体の知識の底上げみたいなものが一番重要かなと思っています。
ー香川さま
さまざまな立ち位置でずっと広告に携わってきましたが、やっぱりユーザーが広告をどんどん嫌っていってしまっているのが、業界全体の課題だと思います。 媒体は広告で事業をやっている限り売上を第一に考えなくてはいけなくて、ユーザビリティよりも収益を優先したり、クライアントさまも効果がよくなることを重視しすぎて攻めた内容の広告を採用してきたせいで、ユーザーからはどのような広告であっても『広告』という言葉を聞くだけで拒否反応を示されるようになってしまいました。
これを問題視したことからネイティブ広告などが生まれたとは思うのですが、ユーザーも日々学習しているので、業界として広告の健全化だったり、ユーザーにとっても広告主側にとってももっと永続的に続けられるような市場にしていかないとなと思います。
あとはテレビとwebだと、同じクライアントさまでもテレビに比べてwebのクリエイティブの質が格段に低いのを見ると切ないなと思います。 テレビにはさまざまな規制があるからという理由もあると思うんですけど、『webはいいや』っていう考えは辛いなと思っています。
テレビの広告にはストーリーがあるように、webでももっと長期的に考えてクリエイティブを作ってもらえると良いなと思います。
TimeTreeの広告メニューポイント
媒体の特徴
- 夫婦・家族での利用が多数
- コミュニティごとにカレンダーを分けて使える
- ユーザーが未来の『行動』を管理する
広告メニューの特徴
- 予定解析による未来ターゲティング
- コミュニティごとにアプローチが可能
- 趣味趣向ではなくアクションの視点で考える
→予定管理ならではの未来へのターゲティングでユーザーの行動に沿ったアプローチができる広告
まとめ
TimeTreeは予定管理サービスならではの予定の解析を利用して『未来ターゲティング』を実現しています。 これまで私が見てきた広告はいかに興味関心データと個人のユーザーデータを結びつけるかにこだわっていることが多かったですが、まったく別軸の『必要だからアクションを起こす』という点に着目しているのがとても新鮮で画期的だなと思いました。
ユーザーの生活に寄り添い、クライアントへの効果もユーザーの気持ちも考えられていて、素敵な広告です。 リゾートへの旅行前に日焼け止めをおすすめされたらつい、買ってしまいますよね! 自分の『行動』に自然と馴染む広告はユーザーも受け入れやすいのではないでしょうか。
7月から正式販売開始とのことなので、ぜひ逃さずチェックしていただきたい媒体です。
貴重なお話ありがとうございました!
株式会社JUBILEE WORKS(ジュビリーワークス)
- 設立:2014年9月1日
- URL: https://www.jubilee.works/ja/
- 所在地:東京都新宿区西新宿6-6-3 新宿国際ビルディング新館503
- カレンダー共有アプリ「TimeTree」https://timetreeapp.com/
『オリジナルの価値ある広告マネタイズ事例をご紹介!』について
アドテク開発に10年携わってきたEVERRISEとして、メディア・サービス運営者のみなさまにお伝えしたい想いがあります。
「広告配信にもっとこだわりませんか?」
サービスやメディアの多くはSSPなどの広告配信プラットフォームを使って広告マネタイズをしています。、広告枠の場所やサイズ、配信条件などが広告配信プラットフォーム側のルールに縛られがちです。一方で、アドサーバーを自社で運用して配信をコントロールし、独自の広告メニューとしてメディアのコンテンツ同様にこだわりを持ってマネタイズに成功されている企業さまもいくつもあります。
アドテクブログではそんな独自の価値で広告マネタイズに成功されているサービスをご紹介し、弊社の想いをより多くの人に知ってもらえればと思っております。
プライベートアドサーバーという選択肢
独自の広告メニューを検討する時、配信エンジンにプライベートアドサーバーをご提案しています。
弊社のADmiralはメディアが独自に保有し、独自のデータで、自由な広告配信を可能にするというコンセプトで生まれたプライベートアドサーバーです。媒体に合った広告メニューを導入することで、媒体価値の向上をお手伝いします。ソースコードの販売なので、カスタマイズ・他システムとの連携も自由です。
メディアの成長とともに広告配信について考える時、1つの選択肢として考えていただけたら幸いです。お気軽にご相談ください!
■公式サイト
https://www.ever-rise.co.jp/admiral/
■プレスリリース情報
プライベートアドサーバー「ADmiral(アドミラル)」、どこどこJPへの接続開始で企業情報をレポート掲載可能に