2018.07.20

CDPはただのデータレイクではない!マーケティングツール連携で何ができる?

CDPはただのデータレイクではない!マーケティングツール連携で何ができる?

今日はINTEGRAL-COREが実際に接続をしている各種ツールのお話をしたいと思います。 顧客データの「箱」であるCDP(カスタマーデータプラットフォーム)が、他のマーケティングツールと連携したり、データ接続をしたりする理由やメリットは何か?実際にCDPと接続している各ツールの例とあわせて考えてみました。

こんな人(こんなことを考えている人)に向けて書いています。

  • CDPの概要はなんとなく知っているが、ツール連携のイメージが湧かない
  • 顧客データを使った効率的なマーケティング施策を実行したい
  • マーケティングツールでデータをもっと活用したいと思っている

CDP「INTEGRAL-CORE」とは?

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは、企業が保有するさまざまなシステム上に散らばった”顧客に関するあらゆるデータ”を収集・蓄積・統合し、周辺のツールとスムーズな連携を実現するデータ基盤です。 「INTEGRAL-CORE」は、アドテク関連のシステムやマーケティングプラットフォームの開発を得意とする弊社EVERRISEが提供するCDPです。

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マーケティングツールとの連携について

連携が必要な理由

CDPの一番の目的は、顧客データを収集・統合・公開を一連の流れで作りあげることです。 重要機能である収集・統合・公開のうち、今回は「公開」にあたるツール連携についてフォーカスします。

CDPはさまざまなマーケティングツールと連携・接続することを前提として設計されています。 もともと、技術アナリストのDavid Raab氏らが2013年頃に「さまざまなマーケティングシステムが互いに接続されておらず、不完全なデータを提供したり効果的に機能しないこと」をマーケターが抱える問題とし、統一された顧客データベースの必要性を提言していたことがCDPの開発思想としてあったためです。 (※Customer Data Platform Institute より)

この問題を解決するために設計・開発されたシステムがCDPです。顧客データの収集・統合に加え、「どんなマーケティングシステム(ツール)にも統一した顧客データベースを提供すること」を目的としており、ツール連携の部分がCDPの最重要機能の1つと言えます。 そのためデータを公開(連携)した後の処理は各システム(ツール)に任せる形で運用しているケースが多いです。

CDPについて、詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連:CDPとは?カスタマーデータプラットフォームの機能やメリット、活用例を解説

ツールの連携とは?

本記事で言う「ツールの連携」とは、「顧客」をキーにあらゆるデータを収集・蓄積して、目的に応じた適切な形式で外部のツールへ受け渡すことです。データ形式や受け渡し方法によっては「データ接続」と表現することもあります。また、CDPが担う「データの収集・統合・公開」の「公開」とも同義です。

連携・活用のイメージ

CDPで収集・蓄積・統合したデータで「顧客の属性」や「web上での行動履歴」を整理し、自社独自のセグメントでメールや広告配信を行ったり、LPやバナーコンテンツを出し分けたりと、マーケティングツールとの連携による精度の高い施策が可能となります。 また、オンラインに限らずオフラインでの購買情報(POSデータ)や実店舗に訪れた会員データなどを統合することも可能です。 その他にもBIツールとCDPのデータ接続をすることで、蓄積したデータをもとに行ったマーケティング施策に対し、結果データをビジュアライズしてダッシュボードで共有し、成果分析をすることができます。

データ接続、ツール連携方法

具体的なデータ連携方法としては、以下のものが代表的な方法です。

  • Cookie Sync

CDPで保有したCookieと接続先ツールのCookieをSyncします。Cookie Syncによって不足しているユーザー情報の統合などが可能です。

  • API連携

公開されたAPIによる相互アクセスが可能です。CDPに蓄積してセグメント分けしたユーザーをツール側で呼び出し、次のアクションを実行できます。 また、3rd ParyデータなどをAPIで呼び出してCDPに統合するケースもあります。

  • データベース参照 (Redshift, Auroraなど)

CDPのデータベースを直接参照する権限をツール側に付与します。権限の付与により、最新データをBIツールでビジュアライズするような連携もできます。

実現したい内容によっては開発を伴うケースもありますが、前述したようなツール連携やデータ接続のような使い方であれば比較的簡単に相互のデータ利用が可能です。 開発が必要なケースとしては、すでに運用している自社ツールと自動的に同期するようにさせたり、特殊なフォーマットのファイルを取り込んだり(逆に出力したり)する場合が代表的な例です。

INTEGRAL-COREの外部ツール連携・接続例

ここからはINTGRAL-COREと接続をしたツールを具体的にご紹介になります。ツール連携で得られるメリットはどのようなものか?をお伝えします。

BIツール:Yellowfin

Yellowfinは「なぜ」それが起きたのかまでを分析しユーザーに提示をするBIツールです。機械学習アルゴリズムを採用した分析機能などを使うことができ、複数のデータソースをまとめてダッシュボードに表示して共有をしたり、分析結果のレポートをすることが可能です。

関連:BIツールのダッシュボードとは?レポートとの違い、構築のポイント

2つのツールの連携により、INTEGRAL-COREに蓄積されたデータをYellowfinのデータソースとして利用することがが可能になります。INTEGRAL-COREも標準でダッシュボードとセグメント設定機能を提供していますが、データソースを掛け合わせた多角的な分析や直感的なビジュアライズはできません。 Yellowfinとの接続によってデータの変化を可視化するだけでなく、「なぜ起きたか」の原因を追求してユーザーに提示することができます。

CDPだけでは対応することが難しかった”複雑な分析”や”効率の良いレポーティング”などの課題は、BIツールとの接続によって解決が可能となります。データをビジュアライズするBIツールの選択肢として、すでに利用しているものを使いたいと言うケースを良く聞きます。INTEGRAL-COREはTableau, MotionBoard, Domo との接続検証を進めており、ご要望に応じて正式提供を予定しています。

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LPOツール:DLPO

LPOツールはwebサイトへ訪問したユーザーの属性に応じて、異なるLPを出し分けCVRを高めるためのツールです。A/Bテスト・多変量テストによる統計的なLPの検証、会員属性、エリア、訪問回数、閲覧履歴などの情報をもとに、ユーザー情報にマッチしたLPやバナーで効果的なアプローチを実現することでCVRを改善することができます。

LPOツールとの連携で、顧客の属性やターゲティング内容に応じてバナーやLPを変更することが可能になります。例としては…

  • 過去に購入実績がある人 → 既存ユーザー向けのキャンペーンバナーを表示
  • 特定の商材を好む人 → 同カテゴリの新商品についての誘導バナーを表示
  • 購入したことはないけど再訪してる人 → 新規登録の特典付きキャンペーンLPへ誘導

上記のように、さまざまな条件でセグメントを作成し、属性に応じた情報を発信することでユーザーにとっても価値の高いコンテンツの提供が可能となります。DLPOではA/Bテスト・多変量テストによる統計的なLPの検証も行え、効果的に情報を出し分けてCVRを高めることが可能です。

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▲ DLPOを使用した画像バナーの出し分け例です。 左の画像は初回訪問した時のキャプチャーですが、複数回訪問した時は右の画像のように違う画像が表示されます。 このケースではINTEGRAL-COREでユーザー判別を行い、セグメント情報をDLPOへ送り画像の出し分けを行なっています。

DSP:Logicad

DSPとの接続による広告配信のご相談を受ける機会は非常に多く、Logicadと接続済みです。 アドテク技術の発展に伴いDSPでの広告配信も高精度になっていますが、従来のセグメント分けによる配信に加え、INTEGRAL-COREに蓄積されたさまざまな1st Party データ(会員情報、web行動ログ、購買データなど)をもとに、顧客像がより明確になったセグメントを構築し効率的かつ効果の高い広告配信が可能となります。

CDPに蓄積した顧客データと3rd Party データと掛け合わせも可能で、ニーズを細分化し顧客一人ひとりに合った広告配信によってCVRの向上や配信の最適化などの効果が見込めます。

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以上、ここまでが事例紹介でした。ここで取り上げたツール以外ともINTEGRAL-COREは接続可能です!

まとめ

いかがでしたでしょうか?CDPがマーケティングツールと連携する理由を少しでも理解いただけたら幸いです。 マーケターが本当に実現したいのは「ターゲットとなる顧客に対し、狙った導線上で適切なメッセージをタイミング良く届けること」です。 それを叶えるためにも、CDPとマーケティングツールがシームレスに連携することで、バラバラになった顧客データの統合から、ターゲットへの効果的でタイムリーなアプローチを可能にできればと思っています!

今回の接続・連携のお話ではマーケティング施策のアクションを想定した事例が中心となってしまいましたが、インプットとしてPOSデータやEC会員データを取り込むことで顧客データ自体の価値を向上させることも可能です。

また、CDPに蓄積した1st Partyデータと3rd Partyデータを統合することで、顧客像をより明確にすることもデータ接続ができるCDPならではの特徴です。データの統合については、今後別の記事でご紹介できればと思います!

最後に

CDP「INTEGRAL-CORE」はデータ収集・統合・蓄積を行い顧客像を明らかにして、さまざまなツールと連携することでマーケティングアクションの後押しをします。

まずは「顧客データを使ってこんなことってできますか?」というご相談でも構いません!顧客データのより効果的な活用をご検討の方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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