2020.09.09

DMM.comが目指す、広告主とエンドユーザー双方に最適な広告コントロール|アドサーバー開発事例

DMM.comが目指す、広告主とエンドユーザー双方に最適な広告コントロール|アドサーバー開発事例
業種 デジタルコンテンツ業界
導入サービス アドサーバー開発

動画配信やゲーム、英会話など40以上の事業を幅広く展開する合同会社DMM.com(以下DMM)様では、2020年1月よりEVERRISEから2名のエンジニアがプロジェクト参画し、開発を支援しました。

各事業のマーケティングを横断的に支援することを目的とした今回のプロジェクトで携わったのは、DMMさま独自のアドサーバー構築。マーケティングテクノロジー部・プロダクトマネージャー中村州一朗様、同部・伊藤良太様に、プロジェクトの背景や今後の展望、EVERRISEをパートナーに選んだ理由を伺いました。

合同会社 DMM.com について

1998年の創業からこれまで、動画配信、ゲーム、証券、英会話、アニメ、プログラミングスクール、3Dプリント、エナジー、フットボール、オンラインサロン・・など領域を問わず、40を超える事業を展開。今後も、コーポレートメッセージ「誰もが見たくなる未来。」とともに、変化と進化を繰り返しながら、新たな事業に挑戦する。
企業サイト:https://dmm-corp.com/

40以上の事業の集合体をテクノロジーで横断的に支える

―― まず最初に、DMMさまの事業内容をあらためて伺えますか。

中村
とても幅広く事業を展開しているので、「DMMとはどういう会社か」を一言で語るのは難しいのですが、「なんでもやっているDMM」と初めての方には紹介しています。
何か1つに特化するわけではなく、多種多様なサービスを40以上展開しています。動画、ゲーム、英会話、FX、サッカー、馬主…1つの業態に縛られずにさまざまなことにチャレンジする会社です。最近では、沖縄県で水族館もオープンしました(プレスリリース:「DMMかりゆし水族館」開業日が2020年4月21日(火)に決定)。

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―― 新しいものに投資して、どんどんおもしろそうな事業を手がけていますよね。

中村
そうですね。他社に比べると「ここの領域はうちはやらない」という縛りがない会社だと思います。「え!?」と思われるようなことでも提案できて、試して、事業化までできる会社ですね。いまもさまざまな事業の立ち上げに挑戦しています。

―― それぞれの事業では「テクノロジー」も軸になっているのでしょうか?

中村
「事業そのものにテクノロジーが必ず掛け算されないといけない」というわけではありません。ですが、テクノロジーが関わらない事業はないと思っています。DMMのエンジニアがそれぞれのビジネスを個別にも横断的にも支え、発展させていっています。

―― DMMさまには、エンジニアはどれくらいいらっしゃるのですか?

中村
DMMグループ全体で社員が約4000名、そのうちエンジニアは約800名です。石川県の事業所でもエンジニアが働いています。

―― 中村さん、伊藤さんが所属されるマーケティングテクノロジー部とはどんなチームなのでしょうか?

伊藤
私たちは各事業部のマーケティングを横断で支援していくチームです。広告の配信基盤システムの開発などを通じた、全社の売り上げアップやコストダウンが大きなミッションになっています。その中で私たちのチームは質の高い広告配信の仕組みのための基盤づくりを進めています。

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自分たちで広告をコントロールするために

―― 今回のプロジェクト立ち上げに至った課題感はどういったものだったのでしょうか?

中村
多くの事業の集合体のDMMを支えるため、全社的な広告配信についてテクノロジーの力を使って最適化していかなければいけません。ですが、その部分を外部の方に任せるとスピード感や仕様の問題が出てきます。なので我々自身で広告配信の基幹を作り、運用していく必要がありました。まずは、事業ごとに異なっている広告配信・計測の仕組みを統合し、広告に関して自分たちでコントロールできる割合を増やす狙いで、プロジェクトをスタートしています。

―― 最初に「広告のコントロール」を目指したのはなぜですか?

中村
現状、外部媒体を使っている広告については、私たちが出したい広告フォーマットや広告面の依頼に基づいてある程度対応いただいているのですが、それが実際に依頼したとおりに実現できているのかは見えづらい。もう少し自分たちでコントロールしていきたいという思いがありました。

また個人的な思想ですが、過去に勤務した広告代理店などでの経験として、必ずしも広告主やエンドユーザーのためになっていない「広告の最適化」が散見されていました。ビジネスなので仕方のない面もありますが、広告主とエンドユーザーの間にいる人たちのための最適化になっていると。いま自分が広告主側になったので、本当の意味で「広告主とエンドユーザー双方にとって最適な広告配信」が作れるんじゃないかと考えて、取り組んでいます。

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―― 広告予算規模が大きいということも関係していますか?

中村
はい、それも理由の1つですね。年間の広告費が大きいので、自社でシステムを立ち上げても十分ペイできると考えています。広告費は最適化によるリターンが大きいですからね。

アドテクに関する知見に強みが見えたEVERRISE

―― 社内に多くのエンジニアがいらっしゃる中でも、弊社EVERRISEにお声がけいただいた経緯を教えてください。

中村
立ち上げ時は私1人のプロジェクトで、何を作るかも決まっていませんでした。それでは開発が進まないので、アドテクやマーケティングテクノロジーの知識と経験があるエンジニアを求めていました。ですがそのような専門知識を持っている人材は絶対数も少なく、すでにどこかしらで活躍されている人ばかりで、直接リクルーティングするのはハードルが高くなっていました。その状況で、アドテク、マーケティングテクノロジーに強みを持っているEVERRISEさんと出会ったため、お声がけしました。

―― 弊社EVERRISEについて、どんなところで「アドテク、マーケティングテクノロジーに強みを持っている」と感じられましたか?

中村
まず最初に「アドテク エンジニア」や「アドサーバー構築」のキーワードで検索したのですが、一番に出てきたのがEVERRISEさんでした。それを見て社内で聞いてみたらEVERRISEさんを知っている、繋がりを持っている人がすでにいたんです。

それを受けて、依頼内容を伝え、現在参画してもらっている2人を紹介いただいたのですが、実は2人とも私自身が他社でのプロジェクト現場で関わったことがありました(笑)。偶然ではありましたが、アドテクの現場を経験されている人材だと自分自身で理解できたため、スムーズにお願いできました。

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―― 他社さんとの比較はされなかったですか?

中村
今回はしなかったですね。いくらでも優秀なエンジニアはいるのですが、やはりアドテク関連のドメイン知識を入れてもらうには時間がかかるので、そこの知識に保証がない一般的なSIerにお願いするのは難しいと思っていました。EVERRISEさんに最初に出会えてぴったりだと感じたので、依頼しました。

―― 具体的に、現在EVERRISEがどんな開発支援をさせていただいているか、ご紹介いただけますか。

中村 具体的にはアドサーバーの開発をしていただいています。EVERRISEさんにもアドサーバーのパッケージ「ADmiral」があったのですが、こちらからの要件の希望があったので、事業横断での全社的な内製のアドサーバーとして、開発を進めてもらいました。アーキテクチャの設計、コーディング、運用までやっていただいています。

アドサーバー開発を支援したEVERRISEへの評価

―― EVERRISEへの評価はいかがでしょうか?

伊藤
まず仕事がとても丁寧だと思います。また新しい言語を使ったアドサーバーだったので予期せぬトラブルも起きるのですが、そのトラブルシューティングが早いですね。あとはナレッジを他のメンバーにしっかり共有してくれるところも評価が高いです。

中村
責任を持ってやっていただいていると感じます。最後までコミットしてくれるなと、チームのみんなが思っていますね。また先ほども触れましたが、やはりアドテク周りのドメイン知識があるのは助かります。

今はすでにアドサーバーのローンチを行い、運用に入っているのですが広告の入稿にあたってのデータ構造などは経験・知見がないとわからないですし、知識がないと改善策についての発想もまったく出てきません。そのあたりの知識はチームの中でEVERRISEさんが1番詳しいのではないかと思います。

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目指すのはDMMに最適なアドプラットフォームの構築

―― プロジェクトの今後の展望、方向性があれば教えていただけますか。

伊藤
今後も市場環境や事業部の課題ベースでさまざまなプロダクトを作っていくことになります。まずはDMMに最適なアドプラットフォームを作っていきたいなと考えています。その一歩目となるのが今回のアドサーバー開発です。さらに次はDSPだったり、広告配信用のDWHだったりと、範囲を広げて開発を進めていくことになります。

―― そのような展望の中でEVERRISEに期待することがあれば、ぜひお伺いしたいです。

中村
我々はビジョンや「こういうものを作りたい」という思いがあるのですが、それを実現させる専門性の部分でEVERRISEさんに知見を持っていてほしいと思っています。技術や取り組みの提案をぜひいただきたいと思います。

伊藤
今回のアドサーバー開発については要件がすでにある状態で依頼させていただいたので、次一緒に取り組む際には要件づくりの段階からやりたいですね。

中村
そうですね。外部広告周りは情報が日々錯綜している状況なので、しっかりした知見をもとにまた新たに提案をいただけるとますます信頼度が積み上がっていくのかなと感じています。

それとは別に、動画広告にも取り組んでいきたいと考えています。特に効果測定や動画ならではの価値など、社内で啓蒙していきたいです。最新の知見、技術提供をいただけるとありがたいですね。

―― 参画メンバーはもちろんですが、参画メンバーを窓口にして弊社のナレッジも提供させていただきます。ぜひお手伝いさせてください!

お客さま情報

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企業名 合同会社DMM.com
webサイト https://dmm-corp.com/

※本記事は、2020年9月時点の情報です。

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