近頃、話題になっているストーカーまがいの広告、皆さん目にしたことありますよね?
一度クリックしたサイトの広告が何度も表示されたり、ECサイトで商品を見ただけなのに、別サイト上でその商品の広告が表示されたりする、アレです。
ちょっと怖いですよね?でも、大丈夫なんです。
どういった目的で、どういう仕組みで、これらの追跡が実施されているのかを説明します。
そもそも何で追跡したいの?
以前「ターゲティング広告の仕組み:ユーザーへの効率化」という記事を書きましたが、まさにこれが最大の動機です。
一度でも広告をクリックした人の再クリック率は、そうでない人の数倍になります。 広告を見せるなら、クリック率の高い(興味・関心が高い)人へ表示したいと思うのが、普通の考えでしょう。
この仕組みが主流となるまでには、そう時間はかかりませんでした。
結果、現在のように「あれ、これ以前にも見た広告だぞ?」という事が多発するようになっています。
どのように追跡してるの?
いくつか方法はあるのですが、ほとんどの場合で採用されている方法を説明します。 それは、Cookie を利用した追跡方法です。
Cookie については、以前も説明しましたが、ブラウザーが持つ内部ファイルでサイトを見ると書き込みや読み込みがなされます。
「Wikipedia」でよくまとまっていましたので詳しくはご確認ください。
では、Cookie を利用した追跡方法を簡単に説明します。
- あなたがあるサイトを見て、広告が表示されます
- その広告は、表示すると同時にブラウザーを識別するために独自に ID を発行します
- その ID をブラウザーが持つ Cookie というファイルに書き込みます
- 次回以降に広告を表示する際、その Cookie があれば ID を読み込みます
こうすることで、広告を配信している配信サーバは、ブラウザーを一意に判別することができます。
一意に判別さえできてしまえば、追跡することは容易です。
本当に個人情報は大丈夫なの?
上記で説明したとおり、この仕組み上では、個人情報を取得している場所はありません。
心理的に「追跡されていて気持ち悪い」という事はあるかと思いますが、個人情報が抜き取られている、または漏れるといったことには繋がりません。絶対に大丈夫です。
なお、犯罪に利用しようとされた場合は例外です。 これらの情報が漏えいして、犯罪に利用しようと思えば、できないこともないからです。
ただし、犯罪者にとっては利用価値の低いデータだと思われます。
考えてみてください。 住所データ、クレジットカード情報などが抜き取られた場合は、実際の被害にあう可能性があるかと思いますが、「この個人は、どのサイトをどれくらいの頻度で見ているか?」という情報がわかったとして、それがほかの個人情報と結びつかない状況で、何の被害が考えられるでしょうか。