本記事では、SSPの広告の配信について少し掘り下げて紹介します。
広告配信の流れ
アドネットワークを利用した広告配信では広告効果測定の技術 で書いたような流れで配信されます。
では、SSPを利用して広告配信する場合、流れと配分数の計測はどうなっているのでしょうか?
簡単に流れを紹介すると以下のようになります。
- ユーザーがメディアにアクセスする
- SSPの配信サーバへリクエストが飛ぶ
- 配信比率設定などにより、表示されるネットワークが選ばれる
- SSP配信サーバからの該当ネットワークの広告タグが返される
- 該当ネットワーク広告配信サーバに広告がリクエストされる
- 配信サーバが広告を返す
- 広告が表示される
5以下の流れはアドネットワーク時の配信と同じです。SSPでは、2~4の流れが新たに増えています。
2.で、SSPの配信サーバへリクエストが来ると、次の3.の段階で、配信比率に沿って表示するアドネットワークが選択されます。 そして4.で、選ばれたアドネットワークの広告タグが返されるとともに、そのネットワークの配分数を1カウントします。
配分数 ≒ インプレッション
さて、ここまでインプレッション(imps)と言う言葉を使わず配分数と書きました。
SSPではimpsとは言わず、配分数と呼ぶのです。
同じじゃないの?と思われる方もいるかもしれませんが、配分数とインプレッションは、数値も意味合いも違います。
実際にアドネットワークのレポートを見るとインプレッションという言葉で表現されていますが、SSPのレポートでは配分数となっているはずです。
計測方法
それでは、配分数の2つの計測方法とともに、配分数とインプレッションが何故違うのか説明しましょう。
リクエスト型の配分数
リクエスト方は一般的な計測方法です。
上記の流れで説明しますと、4.の時点でSSPでは配信比率で選ばれたアドネットワークのタグを返すので、そのネットワークの配分数を1増やします。
しかし、そのカウントが終った後に、通信回線が切れたりブラウザーバックすると、該当アドネットワークに広告リクエストが行かないまま、流れが止まる事があります。
そうなると、SSPでは配分としてカウントされたが、アドネットワークにはリクエストが来ていないので、配分数 ≒ インプレッション となるのです。ですので、インプレッションを全体で見てみると、「メディアのimps >= SSP のimps(配分数) >= アドネットワークの imps」という見え方になります。表示回数が多ければ多いほど乖離が生まれます。
ビーコン型の配分数
ビーコン型は、7.の広告表示後にSSPのサーバへビーコンを送信します。
広告が表示された後すぐに送信するので、実際に表示された回数と限りなく近い値を計測できます。
ビーコン計測でインプレッションを全体で見ると、「メディアのimps >= アドネットワークのimps >= SSPのimps(配分数)」になります。
まとめ
配分数 ≒ インプレッションだと言うことがお分かりいただけたでしょうか?
一見同じ意味のようなワードでも、意味が少し異なることはありますので、一度調べてみるとよいかもしれませんね。また、上記2つの計測方法は、SSPレポートでの見え方が違うだけで実際のアドネットワーク impsは変わりませんので覚えておいてください。