2016.03.16

DSPとSSPを連携するCookieSyncの流れ

DSPとSSPを連携するCookieSyncの流れ

ターゲティングの技術が進化し続けている今日ですが、ターゲティングに使われる技術の1つに「CookieSync」があります。CookieSyncという言葉は聞いたことあるけど、詳しい実際の仕組みを知らないという方は少なくないのではないでしょうか。

本記事では、このCookieSyncについて紹介したいと思います。

DSPとSSPを連携するCookieSync技術を中心に説明しますが、基本的には、DMPでのCookieSyncも同様の技術が使われています。

CookieSyncとは何を行うためのものなのか

まず始めに、この技術が何のために使われているのかと言うと「異なるシステム間でサイトを訪れたユーザーを一意に識別するため」にあります。

あなたがサイトに訪れた際、何の広告を表示するか決めるためにさまざまなシステムが関わっています。また訪れたユーザーがどんな事柄に興味があるのかを知るために、各システムでそのユーザ(ブラウザのCookie)に対してIDを割り振ります。各システムで持っているこれらのユーザーIDを紐づける作業(Sync)が「CookieSync」と呼ばれているものです。

広告主(DSP)とメディア(SSP)を例に挙げて説明します。

cookiesync 01

ユーザーがサイトを訪れた際に、

  • メディアは自分で割り当てたユーザーIDを取得します。
  • メディアは広告主に「このユーザーが来たよ」とユーザーIDを渡します。
  • 広告主は受け取ったメディアのユーザーIDから広告主側で管理しているユーザーIDを探します。
  • 見つかったらそのユーザーIDに関するデータをもとに最適な広告をメディアに返します。

ここで ユーザーID が Sync されていない場合は、ランダムで広告を返すしかありません。 (※ランダムの方法は各広告主によって異なります。)

なんとなく、CookieSyncが「ユーザーに最適な広告を返すため」に使われていることを理解していただけたでしょうか。

CookieSyncの流れ

ではここから広告主とメディアという別システム同士の ID がどういう流れで Sync されるのか説明します。

広告主

cookiesync 02

まず広告主は記録を取りたいページにターゲティングタグを貼り、ユーザーが訪れた際にユーザーIDを割り振ります。その際に、IDと一緒に何のページを訪れたのかも記録しておきます。

メディア

cookiesync 03

メディアは広告を表示するページにユーザーが訪れた際にユーザーIDを割り当てます。ID を割り振るだけではなく、広告も返さないといけないので広告主へ広告をリクエストしますが、この時点ではIDがSyncされていないため何の広告を出せばいいのかわからない状態です。

このタイミングでSyncすればいいのではと思うかもしれませんが、広告主とページの間にメディアが仲介しているため、広告主はブラウザから直接Cookieを取得することができません。そのため、アクセスしてきたユーザーのDSP_IDがわからないので、このタイミングでのSyncは現実的ではありません。

Sync

cookiesync 04

Sync する際は、Sync 用のタグからメディアへ Sync リクエストが送られます。Sync 用のタグを埋め込むページは各システムによって異なりますが、基本的にはユーザーの行動記録を取りたいページに貼られます。広告主のターゲティングタグを貼るページと同じですね。

メディアはSyncリクエストが送られて来たらSSP_IDをCookieから取得し、それをリダイレクトという形で広告主へ共有します。

広告主はURLパラメータからSSP_IDを取得し、CookieからDSP_IDを取得します。

これらを同じユーザとして保存し、CookieSyncは完了です。

Sync された後はその情報をもとにユーザーが興味ある広告を返すことができるようになります。

cookiesync 05

SyncページでIDを割り振るパターン

上記のSyncイメージでは、すでに SSP_ID も DSP_ID も割り振られていなければ Sync できないような印象を持つかもしれませんが、どちらも割り振られていない状態でも、Syncページで一気にSyncすることはできます。

cookiesync 06

まぁ、なければ割り振るだけということです。

ユーザーの行動記録を取りたいページとは

仕組みは知っていただけたとこで、実際にユーザーの行動記録を取りたいページとはどんなページでしょうか。この辺に関しては、各広告主によってさまざまであるためご参考までに留めておいてください。

  • ECサイトの商品詳細ページ
  • 旅行会社のツアー詳細ページ
  • イベントやキャンペーンの特設サイト
  • ブランドの公式サイト
  • 求人サイト

このようにユーザーの趣味・趣向、ニーズを読み取る事のできるページを記録することで各ユーザーに最適な広告を選択することができるのではないでしょうか。

さらに具体的にイメージが湧いたでしょうか。

まとめ

いかがでしたか。 今回説明した Sync 方法以外にも Sync する方法はあります。どういう方法がいいのかは各システムによると思いますが、 CookieSyncを行う目的は明確で「各システム間でユーザーを一意に特定し、ターゲティングの精度を上げること」です。

アドテクに関する用語はいろいろあり、難しそうに聞こえるものもありますが、1つ1つ見ていくと意外と単純ですよね。

EVERRISE には CookieSyncの技術を使ったものはもちろん、その他アドテクに関連する開発実績が多数ございます。簡単なことでも構いませんので、何か実現したいことがあればお気軽にご相談ください!

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