本記事では、オンライン広告の技術の進歩に伴う弊害について説明します。最近では、ストーカー広告やら、スマートフォンでの高頻出されるアダルト系広告などが問題になっていますが、それよりも、もっと問題視されているのが、ユーザーのアクションを阻害する広告です。
その辺について、私の所感を含めて紹介します。
ユーザーのアクションを阻害する広告は嫌われる
このブログで何度も書いていますが、広告はあくまで脇役です。主役にコンテンツがあって、それを支える広告は脇役であり、コンテンツを邪魔してはならないのが基本です(記事広告のように、メインコンテンツになる広告もありますが、それはまた別の話)。
ゆえに、ユーザーのアクション(コンテンツを見たい)を阻害する広告は嫌われます。やむなく許容されてしまっている広告(枠)もありますが、基本的には、いずれ消えていくでしょう。
それでは、代表的な例を挙げます。
動画に挟まれる広告枠
ユーザーは、動画を見たいのであって広告を見たいわけではありません。
入場料として先に広告を最低5秒は見させられるというのは、フラストレーションが溜まります。ただし、テレビCMによって慣れていることもあり、視聴者からの反発はそこまで大きくありません。
動画配信コストが高いということもあり、広告を必ず見てもらわざるを得ないので、致し方ない部分もあります。いずれもっと良い広告手法が発見された場合に変っていくのではないでしょうか。
スプラッシュ広告枠
PCブラウザーだとサイトへの遷移時、スマートフォンだとアプリ起動時などに表示される全画面広告のことです。
非常に効果が高い広告なので、よく利用されますが、強制的に全画面で広告を見せられるので、よほど上手く利用しないと、ユーザーのフラストレーションを溜めてしまいます。
利用しすぎには注意が必要な広告でしょう。
マウスオーバー時のエキスパンド広告
広告にマウスオーバーすると広がって、リッチなコンテンツが表示される広告のことです。
「マウスオーバーされる=興味がある」という前提のものに設計されているのですが、広告枠の配置場所を間違えると、うっとうしい広告になってしまいます。
しっかりとした運用を心掛ける必要があります。
オーバーレイ広告枠
スマートフォンのスクロールに合わせてついてくる広告です。
最近は少なくなりましたが、この広告は、ウザい広告の代表例のようなものでしょう。
端末別、配信サーバ別にも動きが異なり、見たいコンテンツが見られないケースもあり、非常にイラつかせる広告です。
インテキスト広告枠
コンテンツ内のキーワードを自動的に広告に置き換えるタイプの広告です。
例えば記事内に「トヨタ」とあった場合に、そのテキストがリンクになり、そのリンクにマウスオーバーすると、トヨタの広告が表示されるという仕組みです。
最近では、まず見かけません。絶滅危惧種広告と言えるでしょう。ユーザーのアクションだけでなく、コンテンツ価値を毀損してしまうので、嫌われたのでしょう。
上記以外にも「コンテンツと見分けがつきにくい広告枠」といった、もっとも嫌われる広告枠もありますが、これは禁止された広告手法ですので、対象外としています。
技術が進歩し、新しい仕掛けができるようになり、それを広告枠にも利用しようという流れは、良いことだと思います。しかし、それが本当にユーザーのためになっているのか?という、基本に立ちかえって設計することが、アドテク屋としての最低限のマナーでしょう。