2013.11.24

インターネット広告代理店の現場はアドテクとどう向き合っているのか?

インターネット広告代理店の現場はアドテクとどう向き合っているのか?

ここ数日、代理店の方々とお会いする機会が増えており、現場でのアドテク活用についても何度か意見交換させて頂いてます。日頃、アドテク関連のシステム開発やサービスの企画をしている身としては、第一線で活動されている現場の方々の意見はとても重要だと感じています。

本記事では、そんな意見の中で公開の許可をいただいた物をいくつか公開したいと思います。QAの形式でまとめていますが、公式にインタビューしたわけではなくて雑談の中でのやりとりです。また、さまざまな方の回答が混在していて特定の人物の意見ということではないですが、広告代理店の現場の声として参考になるのではないでしょうか。

Q. 現場でのアドテク活用は、どのように考えられてますか?

A. アメリカなどの先端のアドテクは流行を追ってはいますし、良いシステムやツールがあることは理解しているつもりです。ですが、アメリカのようにインハウスでの運用で活用するなら意味があると思いますが、日本の代理店という商習慣に本当に合うか?本当の最適化に繋がるのか?は別物だと思ってます。

少しでも、クライアントの販売を助け、それに伴い自社の売上をアップさせることが営業マンの本筋だとすると、成果が出せるか不透明なものには挑戦し辛いんです。いざ活用となっても、導入や習熟の手間、クライアントへの成果の説明など、コストが高くてなかなか難しいのが本音です。

Q. 広告ツールや分析手法の活用例はどのようなものがありますか?

A. さまざまな DSP を利用していますし、リマーケティングなどの成果が約束しやすいものは主力商品になっています。ただ、自社で蓄積したデータをもとにターゲティングなどをしようとすると、システム利用コストや作業コストが見合わないケースが多いのが現状です。

アトリビューション分析を実施してみても「結局、ラストクリックしか見ない」となったりして無駄が多いので効果は現れにくいです。

実際のところ、誰かが発見した「成果が上がる仕組み」に乗じて、「売れるときに売る」というスタイルになってしまっています。効果が上がるのが確実なのであれば導入しやすくなります。

Q. サイト解析との連動などは利用や技術開発などされてますか?(解析が強い代理店さまへの質問)

A. 広告と解析の結果レポートを統合して出力することは当然行っていますし、解析単体では、かなり深いところまで実施していますが、そこと広告との連動となると、まだまだ活用が弱いですね。データの見える化にとどまっているケースが多く、そこを繋げていくことが大事だと考えています。

Q. 運用改善でのアドテク活用は多いのでしょうか?

A. 少しでも現場の負荷を下げることには積極的に投資しています。

例えば、クライアントごとにカスタマイズして丁寧に作りこまれたレポートの出力とかです。クオリティの高いレポートを週次で提出できることは、他社との差別化になっているのですが、毎週手作業だとコストが高い。自動化してその作業コストを押さえています。ただ、レポート作業自体は、初期にテンプレート化すればそこまで重いわけでもなく、日々の活動でもっとも重い「広告のチェック」は、まだまだ改善の余地があります。

Q. 今後、現場でのアドテク利用として注目しているものはありますか?

A. クライアントへの提案の方向性として、プライベートDMPの活用が重要になっていくとは思います。

クライアントごとに「プライベートDMPが作れるプラットフォーム」をカスタマイズできるようなものは活用していきたいですね。

Related Post

関連記事